浦和学院(埼玉)を30年にわたって率い、今夏の甲子園で退任した森士前監督(57)が12日、さいたま市内で「NPO法人ファイアーレッズメディカルスポーツクラブ」の開設について会見を行った。

ユニホームを脱いで約4カ月。教え子から贈られた赤いネクタイを着用し「スポーツと勉強を通じて、体も頭も鍛えていく。部活動から地域スポーツクラブへの変革期を迎えている中で、人材育成をしていきたい。地域のスポーツ活動を通じて、社会や地域に貢献していきたいと考えています」と話した。

「NPO法人ファイアーレッズメディカルスポーツクラブ」は、勉強やスポーツを通じて青少年の健全な育成と、指導者の育成を目的に開設された。

すでにテスト運用として30人の中学生が通っている。来年1月からは40~50人、4月からは100人規模で本格的に始動する予定。週2回、野球を1時間15分練習し、勉強も1時間15分行うスケジュールで、食事付き。会費は月2万円となっている。東大に進学した高校球児や理学療法士なども携わっており、森理事長は「いろいろな意味で、スポーツ界が変わっていく先がけになれればと思います」と話した。

89年に64歳で亡くなった森理事長の父克さんが、地域のスポーツ少年団の初代委員長を務めていたこともあり、「地域スポーツへの貢献」への思いを長年温めていた。父のアドバイスでスポーツ少年団の指導をしていた時期もあり「高校生も小学生も教えることは一緒だから、朝練を見ろと言われて取り組んだことが、指導の原点になっている。いつか自分のルーツでもあり、原点でもあるところに恩返しができればと思っていました」と明かした。

野球の技術指導は、元楽天2軍監督の松井優典氏(71)、元巨人2軍監督の内田順三氏(74)、OBで元横浜、西武、巨人の石井義人氏(43)らが行う。

12月26日には、キックオフイベントとして「第1回 関東野球フォーラム」を浦和学院の体育館で開催する。工藤公康ソフトバンク前監督(58)やOBのロッテ小島和哉投手(25)らが講演を行う。申し込みは「NPO法人ファイアーレッズメディカルスポーツクラブ」のホームページから。