みちのく屈指の好打者が、悔しさを糧に大学4年間で飛躍する。今春のセンバツで8強入りした仙台育英(宮城)の秋山俊外野手(3年)が愛知大学野球の名門・中京大へと進学する。「1年春からリーグ戦に出場して打撃タイトルを狙っていきたい。4年後はプロに挑戦する」と宣言した。今秋にはプロ志望届を提出したが、指名漏れを味わい「自分の力が足りなかった。体を大きくして技術的な面も磨いていく」と言葉に力を込めた。

打って、走って、守って、総合力で勝負する決意を固めた。「自分の持ち味は、走攻守だと思っている。そこはぶれたくないので、すべてを極めるイメージでやっていく」。北海道・登別市出身。野球を始めた小1から日本ハムで活躍していた糸井嘉男外野手(40=現阪神)が、憧れの選手の1人だった。「総合的にレベルが高いと思った。中学時代には(糸井さんの)スイング軌道を取り入れたこともありました」と言う。大学で非の打ちどころがない走攻守3拍子そろったプレーヤーへと進化を遂げる。

自分の現在地を認識し、さらなる高みを目指す大きな発奮材料にする。ドラフト会議の翌日、テレビに映っていたのは指名を受けた選手らが喜ぶ姿だった。秋山は「指名漏れの現実をはっきりと突きつけられた」と振り返る。だが、落ち込む暇もなく、筋力トレーニングを中心とした体づくりに励んでおり、次のステージに向けて準備を進めている。指名漏れからの再出発。4年後、秋山が1つの答えを出す。【佐藤究】

◆秋山俊(あきやま・しゅん)2003年(平15)4月20日生まれ、北海道・登別市出身。小1から富岸ファイターズで野球を始め、小6時には日本ハムジュニアでプレー。中学時代は軟式の登別ビッグフラップオーシャンに所属。仙台育英では1年秋に初のベンチ入り。180センチ、83キロ。右投げ左打ち。血液型AB。家族は両親と姉、兄、弟。趣味は映画鑑賞。