山梨学院(山梨)が、出場権を獲得しながら大会が中止となった20年以来、5度目のセンバツ出場を決めた。

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吉田洸二監督(52)は「今回ははじめて自信をもって大会に臨めるチーム状態です。エース榎谷もこの冬を経て大きく成長しています。今の榎谷の力量を見ると、いかにエースの存在が大きいのかと思います。このチーム状態を維持し、さらに大会本番までに上積みして初戦に入りたいですね。まず、初戦に全力でぶつかることだけに集中して、これからの期間を過ごしていきたい」と、自信みなぎる表情で抱負を口にした。

エース榎谷礼央投手(2年)は昨秋まで最速144キロだったが、フォームが安定するにつれ、球威も制球もレベルアップしてきた。榎谷は「これまではある程度の球数を投げると、体が横振りになっていたのですが、今はだいぶ改善できるようになりました」と、自信に満ちた表情。縦に鋭く落ちるスライダー、カットボール、そしてチェンジアップを駆使する。何よりも基本となるストレートの伸びとキレに、充実したトレーニングの成果を感じさせる。

母方の祖父・鈴木詔彦さん(まさひこ=78)、そして父優史さん(まさし=45)は、浜松商で甲子園に出場しており、祖父、父と三代にわたって甲子園に出場という快挙だ。「年末に祖父に会いましたが、本当に喜んでくれて、僕もうれしかった。センバツで勝っても、もっと喜ばせてあげたいです」。

また、1年生ながら主砲を任せられる高橋海翔(ひろと)内野手の存在も大きい。吉田監督は19年センバツの札幌第一戦で2発を放ち「山梨学院のデスパイネ」の異名を取った早大の野村健太(2年)と比べながら高橋の能力の高さを評価した。

吉田監督 どこまでも果てしなく飛ばすことができるのが野村であれば、高橋はどうしても勝ちたい試合で4番を任せられる打者と言えます。つまり、打てるコースがいくつもある。その点で、確実性という点で非凡なものを備えています。

投打の軸が強力だ。関東大会準優勝という実績も踏まえチームの充実ぶりも加味すると、いよいよ山梨学院が甲子園でブレークする可能性を抱かせる。春夏通じて12回の出場(20年センバツは除く)で1大会で白星2勝はない。