第94回選抜高校野球大会の出場校を決める選考委員会が28日、オンラインを併用して開かれ32校が決まった。センバツ大会は3月18日に開幕する。

センバツ出場32校地図
センバツ出場32校地図

21世紀枠=3校

【センバツ】21世紀枠は進学校の大分舞鶴、福井県初の丹生、雪克服の只見

只見=福島

初出場

昨秋県大会8強

1948年(昭23)、県立南会西部高校伊北分校として開校。幾度かの学科再編を経て、54年に現在地に校舎が建設。64年に只見高校として独立昇格。全校生徒87人のうち、約30人が町外から「山村教育留学制度」で入学。卒業後、そのまま只見で就職する人もいる。野球部は76年創部。これまでは、08年夏の県16強が最高成績。部員15人(うち女子マネジャー2人)。学校がある只見町は奥会津にあり、日本有数の豪雪地帯。冬はグラウンドが雪に埋もれるため、野球部の練習も制限される。限られた屋内スペースの他、雪上ノックなどで鍛えている。昨秋の福島大会は登録選手が18人と少なかったが、3回戦の相馬東戦は9回に追いつき、11回にサヨナラ勝ち。4回戦の会津学鳳戦も8回に逆転と、粘り強く戦い、県ベスト8まで勝ち上がった

【センバツ】21世紀枠で只見が初出場 部員15人、豪雪地帯から聖地へ

雪が舞う中、帽子をほうり投げて出場を喜ぶ只見ナイン
雪が舞う中、帽子をほうり投げて出場を喜ぶ只見ナイン

丹生(にゅう)=福井

初出場

昨秋県大会4強

昨秋の県大会ではノーシードから4強入り。準決勝では同大会を制した福井工大福井に大敗したが、北信越大会進出をかけた第3代表決定戦で敦賀気比と中盤まで接戦を演じた。敗れはした(3-8)が、敦賀気比は北信越大会で優勝しており、力を示した。1925年(大14)創立の共学県立校で、21年度の生徒数は333人。野球部は1949年(昭24)の創部で、現在の部員数はマネジャー4人を含めて31人。これまで春夏通じて甲子園の出場はなく、初の聖地。OBに昨季プロ初勝利を挙げた広島玉村昇悟投手(20)。学校は日本海に面した越前岬のある丹生郡越前町に所在する。同町は越前がにを水揚げし、古くから越前焼陶器の産地としても知られている

【センバツ】丹生が21世紀枠で初出場 OB広島玉村に憧れた世代に吉報


大分舞鶴=大分

初出場

昨秋県大会準優勝→九州大会1回戦敗退

昨秋県大会で昨春センバツ準優勝の明豊に惜敗して準優勝。九州大会は準優勝した大島(鹿児島)との1回戦で引き分け、再試合の激闘の末、2-3で敗れた。昨夏大分大会決勝も明豊に敗れていたが、近年、着実に力をつけてきた。東大や京大に合格者を出すなど県内屈指の県立進学校で知られる。文武両道で、バッテリー中心のクレバー野球が持ち味。春夏を通じて甲子園出場はなく、初の聖地。同校のラグビー部は全国大会で優勝歴のある強豪。主な卒業生は、歌手南こうせつ、歌手伊勢正三ら

【センバツ】「文武不岐」モットー大分舞鶴が初甲子園“舞鶴魂”で「1勝」

21世紀枠でのセンバツ出場決定に歓喜する大分舞鶴ナイン(撮影・後藤英夫)
21世紀枠でのセンバツ出場決定に歓喜する大分舞鶴ナイン(撮影・後藤英夫)

※補欠校は札幌国際情報(北海道)、倉吉総合産(鳥取)

<センバツ特別枠>

◆21世紀枠 01年から導入。推薦校は原則として秋季都道府県大会のベスト16以上(加盟129校以上はベスト32以上)から選ぶ。練習環境のハンディ克服、地域への貢献など野球の実力以外の要素も選考条件に加える。07年まで2校、08年から3校を選出(85回記念大会の13年と、明治神宮大会中止に伴い神宮大会枠がなかった昨年は4校)。東日本、西日本から1校ずつ、残り1校は地域を限定せずに選ぶ。

◆神宮大会枠 03年導入。明治神宮大会優勝校が所属する地区に出場枠1を割り当てる。今回は大阪桐蔭が優勝し、近畿地区に1枠をもたらした。


北海道=1校

クラーク

初出場

昨秋北海道大会優勝

◆クラーク 正式名称はクラーク記念国際。92年4月に設立された全国1万人以上の生徒が学ぶ広域通信制高校。深川本校の生徒数は167人(女子78人)。野球部は14年4月創部。創部3年目の16年夏、北北海道大会を制し甲子園出場。初戦(2回戦)で聖光学院(福島)に3-5で敗戦。現部員は2年13人、1年15人の計28人。主な卒業生にソチ五輪スノーボード女子パラレル大回転銀メダルの竹内智香。深川本校の所在地は深川市納内町3の2の40。三浦雄一郎校長。

※補欠校は旭川実、東海大札幌

【センバツ】クラーク初出場、佐々木監督は史上初の昭和平成令和勝利に挑む

センバツ出場を決め歓喜の帽子投げをするクラークの選手たち(撮影・佐藤翔太)
センバツ出場を決め歓喜の帽子投げをするクラークの選手たち(撮影・佐藤翔太)

東北=2校

花巻東=岩手

4年ぶり4度目

昨秋東北大会優勝

【センバツ】花巻東4度目出場、佐々木麟太郎や4番田代旭ら超強力打線

4年ぶり4度目のセンバツ出場が決まった花巻東・田代主将(左)と佐々木麟は、書道部から贈られた「岩手から日本一」の書を手に笑顔を見せる(撮影・野上伸悟)
4年ぶり4度目のセンバツ出場が決まった花巻東・田代主将(左)と佐々木麟は、書道部から贈られた「岩手から日本一」の書を手に笑顔を見せる(撮影・野上伸悟)

聖光学院=福島

4年ぶり6度目

昨秋東北大会準優勝

【センバツ】聖光学院「力ない世代」に吉報「努力する選手しかいない」監督

4年ぶり6度目のセンバツ出場を決めた聖光学院ナイン(撮影・佐藤究)
4年ぶり6度目のセンバツ出場を決めた聖光学院ナイン(撮影・佐藤究)

※補欠校は八戸工大一、青森山田(ともに青森)



関東・東京=6校

明秀学園日立=茨城

4年ぶり2度目

昨秋関東大会優勝

【センバツ】明秀学園日立4年ぶり出場 打の両軸ハワイ生まれケニーと武田

センバツ出場を決め喜ぶ明秀学園日立(撮影・たえ見朱実)
センバツ出場を決め喜ぶ明秀学園日立(撮影・たえ見朱実)

山梨学院=山梨

2年ぶり5度目

昨秋関東大会準優勝

【センバツ】山梨学院5度目出場 エース榎谷礼央は祖父、父と三代甲子園

センバツ出場が決まり歓喜する山梨学院の選手たち(撮影・丹羽敏通)
センバツ出場が決まり歓喜する山梨学院の選手たち(撮影・丹羽敏通)

木更津総合=千葉

6年ぶり4度目

昨秋関東大会4強

【センバツ】木更津総合、校長への電話から部員への伝達まで全クラス生配信

選抜出場が決まり帽子を掲げる木更津総合ナイン(撮影・小沢裕)
選抜出場が決まり帽子を掲げる木更津総合ナイン(撮影・小沢裕)

浦和学院=埼玉

7年ぶり11度目

昨秋関東大会4強

【センバツ】浦和学院7年ぶり 父継いだ森大監督が「自律」掲げ初の甲子園

センバツ出場決定で、ガッツポーズで記念撮影する浦和学院の選手たち(撮影・浅見桂子)
センバツ出場決定で、ガッツポーズで記念撮影する浦和学院の選手たち(撮影・浅見桂子)

国学院久我山=東京

11年ぶり4度目

昨秋東京大会優勝

【センバツ】イチロー氏の指導実った、国学院久我山11年ぶり4度目出場

センバツ出場を決め、喜ぶ国学院久我山ナイン(撮影・河野匠)
センバツ出場を決め、喜ぶ国学院久我山ナイン(撮影・河野匠)

二松学舎大付=東京

7年ぶり6度目

昨秋東京大会準優勝

※補欠校は関東が東海大相模(神奈川)、桐生第一(群馬)、東京が関東第一、日大三

【センバツ】関東・東京 最後の1枠は二松学舎大付 東海大相模は落選

【センバツ】二松学舎大付監督「ひと言目に相模と聞いた瞬間『終わった』」

甲子園出場が決まりジャンプして指を突き上げる二松学舎大附の選手たち(撮影・滝沢徹郎)
甲子園出場が決まりジャンプして指を突き上げる二松学舎大附の選手たち(撮影・滝沢徹郎)

東海=2校

日大三島=静岡

38年ぶり2度目

昨秋東海大会優勝

【センバツ】38年ぶり日大三島「全員野球で1戦1戦勝っていく」

センバツ出場決定を喜ぶ日大三島ナイン
センバツ出場決定を喜ぶ日大三島ナイン

大垣日大=岐阜

11年ぶり4度目

昨秋東海大会4強

【センバツ】東海は波乱!大垣日大サプライズ選出、聖隷クリストファー落選

【センバツ選考事情】大垣日大サプライズ選出「静岡2校」関係なく力量評価

※補欠校は聖隷クリストファー(静岡)、至学館(愛知)


北信越=2校

敦賀気比=福井

2年連続9度目

昨秋北信越大会優勝

【センバツ】プロ注目敦賀気比・上加世田頼希が投打の中心「日本一が目標」


星稜=石川

2年ぶり15度目

昨秋北信越大会準優勝

【センバツ】星稜15度目切符「林先生との最後の大会」勇退監督の花道飾る

【センバツ】星稜エースのマーガード真偉輝キアン「自分が抑えれば勝てる」

センバツ出場が決まりガッツポーズする星稜ナイン=2022年1月28日(撮影・柏原誠)
センバツ出場が決まりガッツポーズする星稜ナイン=2022年1月28日(撮影・柏原誠)

※補欠校は小松大谷(石川)、富山商(富山)


近畿=7校

大阪桐蔭=大阪

3年連続13度目

昨秋近畿大会優勝

【センバツ】大阪桐蔭13度目出場 前田悠伍ボールボーイからエース候補に

【センバツ】大阪桐蔭・西谷監督「末恐ろしい」花巻東・佐々木麟に警戒感

選抜大会の出場を決めた大阪桐蔭ナインはガッツポーズをして喜ぶ(撮影・上田博志)
選抜大会の出場を決めた大阪桐蔭ナインはガッツポーズをして喜ぶ(撮影・上田博志)

和歌山東=和歌山

初出場

昨秋近畿大会準優勝

【センバツ】和歌山東が悲願の春夏通じ初甲子園「全力プレーで」8強目標

センバツ出場を決め帽子を投げて喜ぶ和歌山東ナイン(撮影・和賀正仁)
センバツ出場を決め帽子を投げて喜ぶ和歌山東ナイン(撮影・和賀正仁)

天理=奈良

3年連続26度目

昨秋近畿大会4強


金光大阪=大阪

13年ぶり3度目

昨秋近畿大会4強

【センバツ】13年ぶり金光大阪、岸本主将「1にこだわって」1勝重ねる

センバツ出場が決まり、帽子を投げて喜ぶ金光大阪の選手たち(撮影・滝沢美穂子)
センバツ出場が決まり、帽子を投げて喜ぶ金光大阪の選手たち(撮影・滝沢美穂子)

京都国際=京都

2年連続2度目

昨秋近畿大会8強

【センバツ】京都国際が3季連続 売りは森下瑠大、平野順大の投手2枚看板

センバツ出場を決め笑顔をみせる京都国際・小牧監督
センバツ出場を決め笑顔をみせる京都国際・小牧監督

市和歌山=和歌山

2年連続8度目

昨秋近畿大会8強

2年連続センバツ出場が決まり力強くガッツポーズする市和歌山ナイン(撮影・白石智彦)
2年連続センバツ出場が決まり力強くガッツポーズする市和歌山ナイン(撮影・白石智彦)

東洋大姫路=兵庫

14年ぶり8度目

昨秋近畿大会8強

◆東洋大姫路 1963年(昭38)創立の私立校。生徒数1012人(うち女子312人)。野球部創部は創立と同時。部員は55人。甲子園は夏12度、春は8度目。77年夏に全国制覇。主な卒業生は元マリナーズ長谷川滋利氏、四国IL・愛媛弓岡敬二郎監督、中日・松葉貴大投手、ヤクルト原樹理投手、ソフトバンク甲斐野央投手ら。姫路市書写1699。大森茂樹校長。

【センバツ】東洋大姫路「やっと甲子園に帰れる」今大会で退任の藤田監督

ファンから贈られたくす玉を手にセンバツでの活躍を誓う東洋大姫路ナイン(撮影・前岡正明)
ファンから贈られたくす玉を手にセンバツでの活躍を誓う東洋大姫路ナイン(撮影・前岡正明)

※補欠校は近江、八幡商(ともに滋賀)


中国・四国=5校

広陵=広島

3年ぶり25度目

昨秋中国大会優勝

◆広陵 1896年(明29)設立。生徒数は1301人(女子473人)。野球部は1911年創部。部員数99人。甲子園出場は夏23度。春は25度目。夏は準優勝4度、春は優勝3度、準優勝3度。主なOBは小林誠司(巨人)、有原航平(米大リーグ・レンジャーズ)、佐野恵太(DeNA)ら。所在地は広島市安佐南区伴東3の14の1。国貞和彦校長。

【センバツ】広陵25度目出場 愛称「ボンズ」1年生4番の真鍋慧に注目

センバツ出場を決め喜ぶ広陵ナイン、前列は左から川瀬虎太朗主将、真鍋慧、森山陽一朗(撮影・加藤孝規)
センバツ出場を決め喜ぶ広陵ナイン、前列は左から川瀬虎太朗主将、真鍋慧、森山陽一朗(撮影・加藤孝規)

広島商=広島

20年ぶり22度目

昨秋中国大会準優勝

◆広島商 1899年(明32)創立。商業科、国際経済科、会計科、情報システム科がある。生徒数は927人(女子542人)。野球部は1899年(明32)創部で部員は109人。甲子園出場は春22度目、夏23度。甲子園優勝は春1度、夏6度。主なOBは元広島達川光男氏、ソフトバンク柳田悠岐外野手。広島市中区舟入南6の7の11。栗田正弘校長。

【センバツ】広島商20年ぶりの春、伝統を力に“10番目”の石碑埋める

センバツ出場が決まり、喜ぶ広島商ナイン
センバツ出場が決まり、喜ぶ広島商ナイン

倉敷工=岡山

13年ぶり11度目

昨秋中国大会4強


高知=高知

4年ぶり19度目

昨秋四国大会優勝


鳴門=徳島

9年ぶり9度目

昨秋四国大会準優勝

【センバツ】鳴門「失点が少ない試合を」エース冨田遼弥中心に8強目指す


※補欠校は中国地区が岡山学芸館、下関国際(山口)、四国地区が明徳義塾(高知)、徳島商


九州=4校

九州国際大付=福岡

11年ぶり3度目

昨秋九州大会優勝

【センバツ】九州国際大付はV目標「神宮4強。その上目指すのは当然」監督

甲子園出場を決めた九州国際大付ナインは歓喜の表情(撮影・梅根麻紀)
甲子園出場を決めた九州国際大付ナインは歓喜の表情(撮影・梅根麻紀)

大島=鹿児島

8年ぶり2度目

昨秋九州大会準優勝

◆大島 1901年(明34)創立で奄美大島にある県立高校。普通科に709人(女子363人)が学ぶ。野球部は73年創部で部員37人(マネジャー5人)。甲子園は14年春に21世紀枠で初出場した1回で、優勝した龍谷大平安(京都)に1回戦敗退。主な卒業生は山口達也NHKアナウンサー。所在地は鹿児島県奄美市名瀬安勝町7の1。黒木哲二校長。

【センバツ】大島8校14度目“島”から出場 53年洲本以来の優勝なるか

【センバツ】大島プロ注目の鉄腕エース大野稼頭央「日本一目指し戦いたい」

鹿児島・大島ナインは、センバツ出場を決めガッツポーズをする(撮影・只松憲)
鹿児島・大島ナインは、センバツ出場を決めガッツポーズをする(撮影・只松憲)

有田工=佐賀

初出場

昨秋九州大会4強

【センバツ】有田工が初出場「感無量です」佐賀県勢22年ぶり春勝利目指す

センバツ出場が決まり、ジャンプして拳を突き上げ喜ぶ有田工ナイン(撮影・片渕浩介)
センバツ出場が決まり、ジャンプして拳を突き上げ喜ぶ有田工ナイン(撮影・片渕浩介)

長崎日大=長崎

23年ぶり3度目

昨秋九州大会4強

【センバツ】長崎日大23年ぶり春「行けなかった卒業生の思いも背負って」

センバツ出場が決まり、喜ぶ長崎日大の選手たち
センバツ出場が決まり、喜ぶ長崎日大の選手たち

※補欠校は興南(沖縄)、海星(長崎)