第94回選抜高校野球大会(18日開幕、甲子園)に出場する和歌山東が12日、日高高中津分校(和歌山)との練習試合で競り勝った。中川大士外野手(2年)は4番で得点に絡み、存在感を示した。

初回、中川は四球で出塁。一、三塁とし、重盗成功で先制点奪取に貢献した。足攻めは同校の攻撃パターン。米原寿秀監督(47)は「中川は足がある。足が速い選手を上位に並べる」と評した。5回も左前打を放ち、加点につなげた。「鋭いライナーが自分の取りえ」と胸を張った。

端正なルックスは父をほうふつさせる。申也氏(48)は秋田経法大付(現ノースアジア大明桜)の左腕エースとして活躍。1年の89年夏は4強に導き「高校球界の超アイドル」と騒がれた。90年も春夏甲子園連続出場で聖地で3度、躍動した。阪神に91年ドラフト5位で入団。1軍登板はかなわなかったが、和歌山出身の息子が、甲子園に帰ってくる。

幼い頃、父が甲子園で活躍する姿をDVDで見た。野球にのめり込むキッカケだった。同校は甲子園初出場。父に「緊張せんと楽しくやってこい」とエールを送られた。開幕日の倉敷工(岡山)戦が迫る。俊足外野手は「甲子園ベスト8が目標。打撃や守備でも貢献したい」と武者震いした。