第94回選抜高校野球大会の4強に進出した大阪桐蔭が大会休養日の29日、大阪・大東市内のグラウンドで最終調整した。30日の準決勝国学院久我山(東京)戦に備え、シート打撃などを実施。西谷浩一監督(52)は「本塁打を打てるチームではないので、しっかり引きつけてセンター返しした結果が昨日は本塁打になった。原点に返って毎日の基本の練習をしました」と気を引き締めた。

前日28日の市和歌山戦は大会史上最多タイの1試合6本塁打。84年PL学園(大阪)に並んだ。また、先発の前田悠伍投手(2年)が甲子園デビューの先発で6回12奪三振無失点。3投手の継投で完封勝利を挙げていた。注目の先発について指揮官は「まだ決まっていない」と煙幕を張った。

24日に鳴門(徳島)との1回戦を手堅く勝利。2回戦の広島商戦は、同校が新型コロナウイルス集団感染のため、出場辞退し、不戦勝だった。投打の歯車がかみ合った状態で準決勝に臨める。それでも星子天真主将(3年)に気の緩みはない。「(練習前の円陣で)昨日ああいう形で勝たせてもらったが、力が足りないことはわかっている。浮かれることなく、今1度気を引き締め直そうと伝えた。『たたけば甲子園では入りやすい』と西谷先生に言われていたので実践できたのが昨日。過信ではなく自信になった」。18年以来、4年ぶりのセンバツ制覇に向けて、視界は良好だ。【酒井俊作】