浜松開誠館が決勝で静岡高を7-4で下し、1998年の創部以来初の県制覇を成し遂げた。初回に4点を先制するなど、打線が奪ったリードを3人の継投で守り抜いた。決勝を戦った2校が、21日開幕の東海大会(愛知県)に出場。組み合わせ抽選会は10日に行われる。

浜松開誠館3点リードの最終回2死走者なし。3番手で登板した静内龍之介主将(3年)が、最後の打者を直球で遊ゴロに仕留めた。1998年の創部から25年目。秋、春、夏を通じて初の県王者を告げるサイレンが鳴った。

初回、5連続四球に乗じて1安打で4点を先制した。主導権を握ると、近藤愛斗(2年)-広崎漣(2年)-静内の継投で、リードを死守。エース山口祥吾(3年)を“温存”しながら、名門の反撃を断った。静内は「夏に向けて自信になった」と振り返った。

2017年。佐野心監督(55)と共に、元プロ野球中日投手の古池拓一氏(51)がコーチに就任。今年4月には、同じ経歴の小島弘務氏(54)もコーチに加わった。2人の下、昨秋の県大会は制球難でベンチ外だった山口祥が“再生”。今大会は4試合に登板し、わずか1失点と躍動した。

指揮官は「四球を出さないことが投手陣のテーマ。山口に引っ張られ、他の投手陣にも『自分たちも』という空気の変化を感じる」。投手陣の成長が悲願達成を支えた。

21日からはチーム初の東海大会に挑む。静内主将は「今の力がどれだけ通用するか。もう1度気を引き締めて、全力でやり切って夏を迎えたい」と強調。強豪との対戦から、初の甲子園を目指す夏への足がかりをつかむ。【前田和哉】

■静岡、立ち上がりの失点が重く

静岡高は4年ぶりの春季大会優勝を逃した。今大会初登板となった先発のエース右腕・吉田優飛(3年)が、制球に苦しんだ。1回1死から5連続四球を与え、2失点。なおも1死満塁となったところで交代を告げられた。打線は11安打で4点を奪ったが、反撃は逆転に届かず。立ち上がりの失点が重くのしかかった。池田新之介監督(44)は「投手陣の整備が必要。チームの勝利につながる投球ができるように、練習から緊張感を持ってやっていく必要がある」。2年連続の甲子園を狙う夏への課題を口にした。