光南は福島東との「公立校対決」を2-0で制した。金沢太陽内野手(3年)が3安打1打点と奮起し、4年ぶりの4強に貢献した。

グラウンドに光を照らす太陽のように、金沢がバットで輝いた。息詰まる投手戦で1点リードの8回2死二塁。追加点が欲しい場面で4番が打席に入った。ベンチからは「金沢いったれ!」。応援席のボルテージは最高潮になった。「しっかり(走者を)かえす思いで打席に立った」と闘志を燃やしていた。

初球から相手のボールに食らいつき、3球連続ファウル。そして4球目。「2ストライクに追い込まれて来た球を返そう」と外角直球を流し打ち。二走渡辺柊也外野手(3年)が生還する右前適時打で貴重な追加点を挙げた。だが「打った瞬間に足がつってしまった」と金沢。懸命に一塁に到達すると、代走を送られて交代した。以降は6回から救援登板した小林貫大投手(3年)が走者を背負うも無失点で切り抜け、公立校唯一の4強を決めた。

期待に応えたかった。この日、応援席には保護者や部員に加え、応援団・チアリーダー部が駆けつけた。金沢は「ベンチ外のメンバーと連携して応援してくれているので、その人たちを感動させられるような試合をしたいとみんなでやっていた」。試合後に応援席に向かってあいさつすると、右腕でガッツポーズ。笑顔で勝利を報告した。

目標は東北大会(6月7日開幕、福島)出場。21日に行われる学法福島との準決勝に勝利すれば、16年以来の切符をつかむ。「前を見すぎないで1戦1戦戦うことが大事。ベンチ外のメンバーやチア部、保護者の方にはいつも感謝しているので頑張りたい」。再びグラウンドで躍動し、1勝を届ける。【相沢孔志】