近江のエース山田陽翔(はると)投手(3年)が、アクシデントに見舞われた。

2-1の6回1死で大阪桐蔭・谷口勇人外野手(3年)の初球ボールを投げ終わったあと、マウンドで右足を気にする仕草。給水後に続投も、谷口に左前打を打たれ、続く松尾汐恩(しおん)捕手(3年)にも三遊間を破られた。1死一、二塁となったところで、右太もも裏を押さえて顔をゆがめた。

ベンチ前に歩み出た多賀章仁監督(62)の前で、山田はなんとか続投できるように屈伸をしたが、ついにはチームメートの肩を借りてベンチへ。悔しい降板となった。

救援した星野世那(せな)投手(3年)は相手4番の丸山一喜(いっき)内野手(3年)に左前打され、1死満塁に。続く海老根優大外野手(3年)に犠飛を打たれ、同点に追いつかれた。さらに8回、星野は丸山に決勝2ランを浴び、力尽きた。

無念の逆転負けの試合後、山田は「三塁ゴロを打って全力疾走したときに、右足がちょっとおかしくなって。降板は悔しいです。歩けるようになったので、もう1度マウンドに上がりたかった。でも星野があの場面で最少失点で切り抜けてくれた。一番の収穫です」と振り返った。

近江はセンバツ決勝では大阪桐蔭に1-18で完敗。山田は準決勝の浦和学院(埼玉)戦で右足に死球を受けながら延長11回、170球で完投。決勝も志願して先発したが、ケガの影響で3回途中4失点で降板していた。