第104回全国高校野球選手権大会(8月6日開幕、甲子園)の出場49校を決める地方大会が18日、全国のトップを切って沖縄で開幕した。沖縄セルラー那覇での開幕試合では、初の甲子園出場を目指す未来沖縄が全国一番星。先発の依田(よだ)龍斗投手(2年)が6回2安打無失点と力投し、5回に自らダメ押し打を放った。順調に日程を消化すれば、7月17日に沖縄で最初の代表校が決まる。

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未来沖縄が全国一番乗りで夏1勝を刻んだ。主役は2年生の依田だ。今春から本格的に先発挑戦し、6回2安打無失点の好投。直球の最速は131キロながら、スライダーやチェンジアップなど4種の変化球を駆使。「全国の初戦ということで気合を入れていました。勝てて良かったです」。夏の甲子園に1度出場している那覇商を圧倒した。

初回で主導権を握った。那覇商の1、2、3番を3者連続三振。神山剛史監督(35)に「初めて見ました。あれでほぼ仕事をやった」と言わしめた。全国最速、午前9時10分に開始した試合で最高の立ち上がり。体を若干ねじって投げる“琉球トルネード”でも相手を惑わせた。

沖縄は梅雨の真っただ中で、6月は屋外で練習できたのは2~3回という。この日は一転、気温30度に迫る猛暑。依田は6回の投球練習で足をつりかけたが「なんとか腕を振りました」。5回には左翼線に適時打を放ち、ダメ押しの7点目を呼んだ。

プロ注目の最速148キロ右腕、大城元投手(3年)も2番手で1回無失点。次は今春の県大会準々決勝で敗れた沖縄水産が相手となる。依田は「絶対に勝つ」とリベンジを誓った。【只松憲】

○…与勝1年生左腕の仲宗根寛斗がチームを初戦突破へ導いた。1-3の4回途中から公式戦初登板。9回こそ2失点したが、5回2/3を2失点のロング救援で打線の逆転を呼んだ。身長160センチと小柄でも「体が小さいから、体を大きく使って強いボールを投げることを意識しました」。リリース後、体がホーム側に倒れるほどのダイナミックなフォームで立ち向かった。父の仲宗根寛史監督(50)は「向かっていく気持ちが強い。よかったね」と笑顔。人気バンドHYの仲宗根泉(38)らの母校で知られ、仲宗根親子が白星を手にした。

○…那覇西は延長11回に一挙5得点を奪い、接戦を制した。垣花(かきのはな)慶太投手(3年)が、4安打4打点の大当たり。8回は中越えに同点の三塁打を放ち、11回は2点を勝ち越しなお1死満塁で走者一掃の三塁打でダメを押した。「2本目の三塁打の時は体全身がつるかと思いました。疲れました」。サッカー部を中心に応援団が駆け付け、観客席は真っ赤。「激励会をされたので、応援されてるんだなと。勝てて良かった」と笑顔だった。