今春センバツ8強の九州国際大付が、自慢の強打で10点を奪い、5回コールド勝ちで初戦を突破した。注目の6番2年生巨漢スラッガー、佐倉侠史朗内野手が2安打4打点の活躍で貢献した。

1回押し出し四球で先制してなお1死満塁。184センチ、106キロのパワフルなスイングから走者一掃の左中間3点二塁打を浴びせ突き放した。「4打点もいいことだけど、初回にああいう打球が打てた。チームに流れを持ってこられる走者一掃のバッティングができたことが、この試合で一番自分を評価できるところ」。さらに、4回1死一、二塁では、強烈な右翼線適時二塁打を見舞った。

佐倉は、センバツ後に取り組んだ「いいところ取りフォーム」で結果を出した。センバツで好投手を打てず、極端に重心を落とす構えからオーソドックスに変更。さらに、広陵(広島)の真鍋から「構えた時の角度、足の使い方」、花巻東(岩手)の佐々木麟からは「体重のため方をまねた」と、2年生ライバルたちの長所を加えた新打法で、夏初戦に進化を見せた。試合後は「甲子園の時よりは打球が上がりました。強い打球が出始めたのでよかったです」と手応え十分だった。

佐倉は昨秋から今春まで4番に座っていたが、公式戦では初となる6番でのスタメン。西武などで活躍した元プロの楠城徹監督(71)は、「過去のチームでも、6番がポイントゲッターということが案外あった。どうやったらつながり、得点ができるか。1、2試合戦ってみて確かめようと思いました」と明かした。「6番佐倉」の新オプションがハマり、優勝候補が快勝した。