福岡大会が開幕した。17年以来の夏優勝を狙う公立進学校の東筑は、玄界に5回コールド勝ち。背番号「2」の堂満遼太郎捕手(3年)が先発マウンドに上がり3回1失点と好投。4回からマスクをかぶり、打っても2安打1打点、1本塁打の活躍だった。

今春センバツ8強の九州国際大付も、大和青藍を5回コールドで下した。

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東筑は背番号2の堂満が先発登板した。「最初の試合で緊張もあったけど、腕が振れました。良かったです」。右投げから140キロ前後の力強い直球を中心に3回2安打1失点。スライダー、チェンジアップも効果的で5三振を奪い、試合後は「いいスタートが切れました!」と笑った。

堂満は昨夏の福岡大会から捕手で、それまでは投手兼内野手。東筑には最速146キロ左腕のエース高崎がおり、青野浩彦監督(62)は「高崎はスピードのある球を投げる。それをちゃんと抑えてくれるから」と捕球力で堂満を捕手に抜てきした。もっとも投手としての実力は折り紙付き。福岡・浅川中3年時に軟式で全国制覇。高知中との決勝では延長11回を完封した。3年前の中体連の胴上げ投手は「(優勝は)よく覚えてます。東筑にいこうと思ったのは、勉強と部活が両立でき、近年(17年)は甲子園に行ったので」と明かした。

4回から捕手に就き、松山皓乃助投手(3年)と高崎をリード。打撃では3回無死、カウント2-2から高め直球を左翼席に運んだ。公式戦初アーチで高校通算は4本目。「風が吹いていい感じで入ってくれた。チームのためになれて良かったです」。4回にも左前打で12、13点目へ攻撃をつなげた。エースの専属捕手、投手、打撃の「三刀流」で5回コールド勝ちに貢献した。

近年も東大にも輩出するなど県内屈指の公立進学校。17年以来7度目の夏の甲子園に向けて好スタートを切った。【只松憲】

◆堂満遼太郎(どうみつ・りょうたろう)2004年(平16)6月28日生まれ、福岡県北九州市出身。光貞小3年から「光貞ジェッターズ」で野球を始める。浅川中では軟式野球部に所属し、3年時の中体連で全国制覇。東筑では独自大会だった1年夏から背番号「25」でベンチ入りした。高校通算4本塁打。175センチ、76キロ。右投げ右打ち。

○…最速146キロで身長187センチの左腕、高崎陽登投手(3年)は5回1死から3番手で登板し、2/3回を1安打無失点で締めた。「コントロール良く狙ったところに投げられた」。エースは自身の強みを「真っすぐの速さもですが、球の威力や質」といい、次戦へ「投げるとしたら先発と思う。真っすぐの強さを見せて行けたら」と気合十分だった。