被災者を元気にしたい。熱海の2選手が、行進に思いを込めた。主将の日吉智哉外野手(2年)は矢吹諺(げん)内野手(1年)と一緒に、草薙球場のグラウンドを踏みしめた。1年前の土石流災害を振り返り、「学校に、家を流された生徒もいた。(当時は)友だちも暗かった」と話した。死者27人、行方不明1人の大災害。被災した伊豆山地区の復興は、道半ばだ。市内唯一の高校の球児は「最後まで諦めずに全力でプレーし、地元に元気や勇気を与えたい」と力を込めた。地元の人から「頑張ってね」と、逆に励まされることもあるという。

今回は、新居5人、浜松湖北高佐久間分校6人との合同チーム。昨年夏もチームを組んだ佐久間とは「意思疎通ができている」と日吉。新居からは高い技術を学んだ。練習試合では接戦に持ち込み、勝利もあったという。17日の2回戦で、加藤学園対池新田の勝者と対する。「いい感じに準備できている。開会式に出て、絶対勝つという気持ちが高まった」。合同チーム初の夏1勝を挙げ、被災者を喜ばすつもりだ。【倉橋徹也】