札幌地区代表決定戦で、札幌大谷が札幌静修を12-0の8回コールドで下し、5大会連続で南北海道大会に進出した。プロ注目左腕、森谷大誠投手(3年)が、4球団のスカウトが視察する前で8回参考ながら無安打無得点、自己最多15奪三振の好投を披露し、昨夏以来3季ぶりの道大会に導いた。南北北海道大会の代表32校が出そろい、組み合わせ抽選は7日に行われる。

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森谷が気迫たっぷりの奪三振ショーで勝利に導いた。2回2死から3回までの5者連続含む、5回以外毎回の自己最多15奪三振。許した走者は初回先頭の振り逃げと2つの四球のみと、ほぼ完璧な投球でコールド勝ちにつなげた。8回無安打無失点、打者26人で締め「無安打は意識していなかった。とにかくチームが勝てたことがうれしい」と素直に喜んだ。

終盤まで平均140キロ台後半をキープ。視察した日本ハムのスピードガンでは、これまでの147キロを上回る自己最速148キロもマークした。4日の石狩南との初戦は「最後の夏ということで力みすぎた」と8回5安打1失点。制球も万全ではなく5四球に、三振もわずか4つにとどまっていた。この日は「少し力感を抑えた」ことと、昨冬覚えたシンカーも織りまぜ「前の投球が初回から100なら、今日は90ぐらい。体力もバランス良く使えたし、最後まで集中して投げられた」と修正してみせた。

夏は5大会連続道大会進出も、新チームでは昨秋が東海大札幌、今春は北海に、いずれも代表決定戦で1点差で敗れた。秋は先発し3回7安打7失点降板。春は6回から登板し9回にサヨナラスクイズを許した。「秋も春も自分のせいで負けた。最後の夏。自分がしっかり投げれば、チームも勝てる」。2度の屈辱を今夏、力に変える。

札幌大谷中3年だった19年春、先輩たちが聖地で1勝する姿を、スタンドで見届けた。目標はプロだが「まずは甲子園で戦いたい。先のことは考えていない。目の前の試合に集中したい」。夢中で腕を振り、夏の頂を目指す。【永野高輔】