部員18人の公立校に、プロも熱視線を送る身長186センチの大型二刀流選手がいる。

大師(神奈川)は最速147キロ右腕・沢田寛太投手(3年)が二塁すら踏ませない投球で、5回2安打無失点。3年ぶりの初戦突破に貢献した。

昨年12月に右肩を痛めたこともあり、厳しい日程を踏まえて「変化球を最高7割、(直球は)5割の力で投げました」と自ら制限。それでも最速は135キロをマークし、決め球のフォークを温存した中で7三振を奪った。

家庭のために、公立校を選んだ。4人きょうだいの長男。鶴見中では捕手として活躍し、遠投は80メートル以上を投げた。3校の私立校から誘いがあったが「親に負担をかけたくない。自分はずっと野球を続けられたらそれでいい」と断りを入れ、大師に進学を決めた。

この日は3球団のスカウトが視察。高校通算「10本塁打後半」(沢田)というの右の強打者は、バットでも先制適時打を含む2打点。「自分もプロを目指しているので、上で活躍するために注目されていることはありがたいです」。野球を続けるために、この夏のアピールは不可欠。大会に入った沢田の目には、闘志が宿っている。【阿部泰斉】