第1シードのV候補、九州学院が20点を奪い、6回コールドで快勝発進だ。ヤクルト村上宗隆内野手(22)と構え、顔もそっくりの弟で、189センチ、94キロの4番慶太内野手(3年)は、3打数2安打2四球で勝利に貢献。「個人の結果じゃなくて、チームの結果を求めた。それが2安打という形になったのかなと思います」と振り返った。

前日には「ムネニイ」と慕う5学年上の兄宗隆から「最後の夏やし、頑張れ」とLINEで激励メッセージを受けたという。慶太は「ありがとう。なんかモチベーションの上がる曲ない?」と返信すると、Mr.Childrenの名曲「終わりなき旅」を勧められた。「今日(球場に)来るときに聞きました。(2安打は)それのおかげですね」と、照れ笑いで兄に感謝していた。

偉大な兄は、セ・リーグ首位を走るヤクルトの主砲。今季は3冠王も視野に入る大活躍を見せている。「もう、刺激になります。自分が小学校の時は、九州学院で4番を打ってて。(夏予選の)初打席でホームランも打って、すごいなぁの一言でした。あの時は自分はまだ小さかったので、実感があまりなくて。自分がいざ高校に入った時に、やっぱりお兄ちゃんのすごさを改めて感じました」。

野球道具のほとんどは兄からプレゼントされ、手袋やグラブはおさがりを使っている。「本当に感謝です。結果で返そうと思っています」。九州学院が最後に甲子園出場したのは、「ムネニイ」が高1だった時の15年。「7年間も出てないんですよね。とにかく甲子園にいけることを目標に。1戦1戦大事に戦っていこうと思っています」と、慶太は頼もしかった。【只松憲】

◆村上慶太(むらかみ・けいた)2004年(平16)11月11日生まれ、熊本市出身。託麻南小4年から「託麻南小野球部」で軟式野球を始める。長嶺中では硬式の「熊本東リトルシニア」に所属。ポジションは一塁と三塁。ヤクルト村上宗隆は実の兄。九州学院では1年秋からベンチ入り。高校通算は6本塁打。好きな食べ物は焼き肉。趣味はサッカーゲームやメジャーリーグ観賞。応援している球団はヤクルト。189センチ、94キロ。右投げ左打ち。