昨夏の優勝校、日本文理が初戦2回戦で加茂暁星を7-0の7回コールドで破った。プロ注目の“二刀流”田中晴也投手(3年)が投打に活躍。7回3安打無失点と好投すると、3番に入る打撃では3-0の7回裏2死満塁で左翼へ満塁本塁打を放ち、7点差としコールド勝ちを決めた。春季県大会優勝の東京学館新潟は新潟商に10-0の5回コールド勝ち。
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ひと振りで決めた。3-0の7回裏2死満塁。チームメートの視線を背に、左打席に入った田中は加茂暁星・大木日向投手(3年)と対峙(たいじ)した。「相手も気迫を出していた」。初球の直球に大木の真っ向勝負を感じた。そして2球目。真ん中高めの直球を豪快に左翼に運んだ。
日本文理は5回に8番才須海心一塁手(3年)の左翼へのソロ本塁打で先制。7回に2点を加え、一気にたたみ掛けたい好機で田中は淡々と大仕事をした。公式戦で左翼方向に放った本塁打はこれが初。「最近、打球が伸びるようになった」。2日の石川・金沢商との練習試合でも左翼に1本放った。好調さをコールド勝ちに持ち込むグランドスラムで確信した。
豪打の伏線はマウンドにあった。1回表は3者連続三振。「今年の中で一番の立ち上がり」と納得のスタートを切った。2回は一転して2死満塁のピンチを迎えたが、次打者を落ち着いてスライダーで空振り三振に仕留める。「焦らず、やってきたことを出せた」。7回を3安打8奪三振の無失点。自らに及第点を出せる96球で7回の打席に入っていた。
「(雰囲気が)重い中の勝負だったが、田中はどっしりしていた」。鈴木崇監督(41)は改めて存在の大きさを感じた。今秋のドラフト候補。この日もプロ複数球団のスカウトが視察に訪れる中、投打に実力の一端を発揮した。「次の試合に向けて、チームとして強くなれるように練習する」と田中。隙のない大黒柱を中心に日本文理が3大会連続の夏の甲子園へ1歩を踏み出した。【斎藤慎一郎】

