瀬田工のエース吉田翔湧(とわ)投手(2年)が、今春センバツ準優勝の近江戦で9回2/3を4失点、179球の熱投をみせた。

1回に先頭打者の四球に3安打が絡んで3点を失う苦しい展開。小椋和也監督(40)は「ちょっと焦った。いつもの吉田と違い、きついなと感じた」と振り返ったが、その後は立ち直った。吉田は「対戦が決まったときから絶対に倒そうという気持ちで、練習してきた」と思いを右腕に込めた。11安打を浴び、12四死球と毎回走者を背負ったが、2回から9回までは得点を許さず。「2回以降バックが守ってくれて、粘り強い試合になったと思う」。何度も好守で助けられ、5回までに3点を援護してくれた仲間に感謝した。

ただ3-3の延長10回に1点を勝ち越され、2死満塁を残して降板。「最後まで投げきれず悔しい」と唇をかんだ。

この日のスタメンのうち8人が1、2年で、競り負けた経験を糧にチームは代替わりする。吉田は「来年は絶対に優勝したい」と宣言し、小椋監督も「甲子園に連れて行ってほしい」と笑顔で願った。来年の「瀬戸工旋風」に向け、新チームが間もなく始動する。【小松将大】