ガッツあふれる代打安打がダメ押し点をもたらした。

元巨人投手の斎藤雅樹氏(57)を父に持つ東京都市大等々力・斎藤陽太(ひなた)主将(3年)は3点リードの8回、先頭で代打に立った。左膝はサポーターとテーピングで固めていた。振り抜いた初球が左翼線へ。痛みをこらえて一塁まで駆け抜けた。「どうしても出たいって監督にお願いして。出るなら打撃だと思って準備してきました」。すぐに代走を出されたが、2点追加の足掛かりをつくった。

12日の2回戦の試合前ノックで左膝を負傷した。試合は1打席、犠打を打ったのみで交代。検査の結果、靱帯(じんたい)を損傷していると分かった。だが高校最後の夏だ。担当医に相談し「いけるとこまでならやっていいよ」と許可を得た。二塁守備に就くのは正直、きつい。松葉づえを2日で放り、代わりにバットを振り始めた。

この日はベンチからスタート。「普段なかなかベンチで過ごさないですけど、主将としてみんなの士気をあげるのが自分の役目」と率先して声を出し、笑顔で先発メンバーのサポートに徹した。

そして終盤の8回、代打でコールされた。内野清監督(40)は「へばって足がつり出した子たちもいたので、空気を変えたかった。(2回戦の)バント1個で彼の夏を終わらせたくないというのもあった。完治はないと思いますけども、彼がいることで空気がいい方向にいってくれる」と信頼して送り出した。

監督の思惑通りにチームは快勝。創部13年目にして公式戦初となる、姉妹校対決を制した。斎藤はケガの後、父から「焦るかもしれないけど、まずはしっかり治すこと」と声を掛けられた。「今後も代打になっちゃうかもしれないですけど、まだスタメンもあきらめていないので。それまで負けられないなって思いでいます」。チームメートを支え、支えられながら次の1勝を狙っていく。

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