京都外大西のプロ注目スラッガー・西村瑠伊斗(るいと)外野手が高校通算53号の3ランを含む2安打2四球で勝利に大きく貢献した。春夏合わせて15回の甲子園出場を誇る同校を2年連続4回戦突破へ導いた。

主役の座を奪ったのが西村だ。それまで4打席で1安打2四球と活躍はしていたが、目立っていなかった。ところが、5打席目で大きな放物線を描いた。

3-1とリードして迎えた9回1死一、二塁だ。カウント1-1から内角高めのカットボールを強振。

「打った瞬間いったと思った」

白球は右中間席後列の芝生席に着弾した。これが今大会早くも3本目で高校通算53号。

「前の試合で力を入れると、バットが出てこなかった。力を抜いて70%くらいの力で。調子は上がってきている」

目標数は「甲子園に行ったら60本」と野心を燃やす。

世界のホームラン王に類似する打撃フォームがアーチ量産の秘訣(ひけつ)か。テークバックから1度、グリップを下に落とし、再びトップ位置に戻す。

NPB通算868本塁打の王貞治氏に酷似した構えに上羽功晃監督(52)も「王さんに似ている」と声をかけたほどだ。本人は「意識してなかった」と語るが「王さんは日本で一番本塁打を打っている。純粋にすごいなと思う」。偉大なレジェンドとは“アーチスト”という点も共通項だ。

昨夏は決勝で京都国際に敗れた。4回までリードしていたが、逆転負け。京都で夏が終わった。近くて遠かった聖地。「甲子園に出てプロ野球に行きたい」。大きな夢を胸に抱き打席に入る西村。まずは12年ぶり優勝へ、打線を引っ張る。【前山慎治】

◆西村瑠伊斗(にしむら・るいと)2004年(平16)7月1日、京都市生まれ。上鳥羽小2年から「七条ファミリーズ」で野球を始め、洛南中時代は「京都ポニー」に所属。京都外大西では1年夏から背番号10でベンチ入り。50メートル走は6秒。遠投120メートル。好きな選手はエンゼルス大谷。178センチ、75キロ。右投げ左打ち。

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