今春センバツ準優勝の近江(滋賀)が聖地で1勝した。今秋ドラフト候補で、エース右腕の山田陽翔(はると)投手(3年)が8回4安打2失点、毎回の13三振を奪い、無四球と圧倒的な投球を披露した。

初回に大会最速の148キロをマーク。自身11試合目を数えた甲子園では最速で、自己最速に1キロと迫った。この回2死一塁から三塁打を浴びて1失点したが、その裏に4番打者として同点の適時二塁打と、大黒柱らしい仕事ぶりだった。

山田は「野手がリズム良くできていなかったので、打たせるより三振の方が良いのかなと思い、ギアを上げた」と汗を拭った。

鳴門(徳島)のエース左腕、冨田遼弥投手(3年)との投げ合い。好投手同士の対戦はロースコアが予想されたが、初回から互いに1得点ずつ奪い、2回には鳴門が1点を勝ち越した。それでも、近江は1-2の5回2死二塁で4番山田が今大会初となる申告故意四球で歩かされると、6番横田悟内野手(2年)の2点適時三塁打で逆転した。近江応援歌の「アルプス一万尺」が流れ、勢いづき、この回さらに1点加えた。その後も着実に得点を積み重ね、鳴門に打ち勝った。

夏の甲子園は今回が4大会連続16度目の出場。春の準優勝校ということもあり「勝って当たり前」というプレッシャーがかかっていた。県大会は初戦で延長戦で苦しんだ後は快勝。3回戦ではエース自ら「(高校で)あったかな」という満塁本塁打で勢いに乗り、甲子園に乗り込んだ。

山田は鶴岡東(山形)との2回戦に向けて「目標は日本一。素晴らしい舞台で野球させて貰っている感謝をもって、謙虚を忘れずやりたい」と決意を口にした。「監督を日本一の男にする」という目標に向かい、挑み続ける。

◆毎回奪三振 近江が山田、星野の継投で記録。昨年の智弁和歌山が準々決勝の石見智翠館戦で3人の継投によりマークして以来。

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