九州国際大付(福岡)が明徳義塾(高知)に競り勝ち、7年ぶりに夏の甲子園で白星を挙げた。

1-1で迎えた4回、無死二塁から送りバント。三塁手が一塁へ悪送球する間に決勝の1点を奪った。

先発の香西一希投手(3年)が同じ左腕の明徳義塾・吉村優聖歩投手(3年)に投げ勝った。楠木徹監督(71)は「香西が調子がいい時のリズムで投げられた。球数を気にしていたが、想定内。よかったと思います。このバッテリーは手がかからない。安心して見ていた」と称賛した。

センバツではエースで8強入りに貢献も、夏は2年生の池田にエース番号を譲り背番号を「11」に替えて甲子園に戻ってきた。「140、150キロが出る投手ではない。キレとコントロール。それだけを注意してやりなさい」という楠木監督のアドバイスを支えに成長。元エースの意地を見せ、明徳義塾打線を1失点に抑え完投した。

九州国際大付は新型コロナウイルスの集団感染と判断され、直前まで出場が危ぶまれた。それでも大会期間中に改定された感染拡大予防ガイドラインに基づき、登録選手を2人入れ替えてチームを編成。出場にこぎつけた。主将の野田海人捕手(3年)は、こうやって周りの方々がサポートしてくださって、いい結果で終われた。感謝しかありません。自分たちの目標としていた甲子園ということで、そこでまず1勝できたことは誇りに思います」と、話した。

明徳義塾は接戦を落とした。馬淵史郎監督(66)は「香西投手に、最後まで緩急をうまくつけられて打たされてしまった」と脱帽した。同校の夏の甲子園初戦敗退は7年ぶり2度目。