甲子園に13年ぶり4回目の出場を果たし、14日の大阪桐蔭との2回戦で敗れた聖望学園(埼玉)の岡本幹成監督(61)が16日、退任した。

「気持ちの中で、最後だなと思って、1試合ずつ積み重ねて甲子園に出られた。埼玉大会を優勝して、甲子園で1つ勝たせてもらった。よかったなと思います」と選手たちに感謝した。今後は、総監督に就任する。

就任37年目。甲子園での一番の思い出は、鳥谷敬氏(日刊スポーツ評論家)らを擁して初出場した99年の夏。初戦で日田林工(大分)に敗れたが、初めて聖地に足を踏み入れた高揚感が今でも忘れられないという。かねて「夏だと初出場した時に(初戦で)負けましたけど、初めて甲子園での試合は本当に覚えています。ここで戦えたということが、思い出深いですね」と明かしていた。

オンとオフで、全く別の顔になる。グラウンドを離れれば、面白い“関西のおっちゃん”の一面が出てくる。1対1で話すときはあだ名で呼び、選手が親近感を持って接することができるように心がける。荒江思優内野手(3年)はウッディー、園山賢生内野手(3年)はかっぱちゃん。選手たちは「監督は、とても話しやすいです」と口をそろえていた。この夏、選手たちは「監督を甲子園に連れていきます」と話しており、今夏の甲子園は、有言実行の舞台だった。

すでに新チームは始動。後任には、鳥谷氏の同期で当時主将を務めていた宮崎広春コーチ(40)が就任した。

◆岡本幹成(おかもと・みきしげ)1961年(昭36)6月8日、大阪府守口市生まれ。桜宮-東北福祉大を経て、86年に聖望学園監督に就任。99年夏、鳥谷を擁し甲子園初出場。夏は4度目、春は1度の出場。最高成績は08年春の準優勝。教え子には、鳥谷氏の他に元中日の門倉健氏、元ヤクルトの小野公誠氏ら。