甲子園を湧かせた2人が、クローザー&リードオフマンとして初の世界一を目指す。第30回U18W杯(9月9~18日、米フロリダ州)に出場する高校日本代表が28日、都内で結団式と記者会見を行った。馬淵史郎監督(66)は近江の二刀流・山田と、高校通算67本塁打の高松商・浅野について「山田は投手だけで。抑え的な仕事をしてもらいたいと考えている。浅野はロング(長打)を打ってもらうことに越したことはないが、脚力がある。出塁で貢献してくれれば」と起用プランを明かした。

今夏の甲子園では全試合先発投手&4番を務めた山田は、守護神起用に「プレッシャーのかかる場面での起用が多いと思う。0点で抑えきれるように、期待に応えたい」と意気込んだ。主将としては、短期決戦のカギを「チームの仲をどれだけ深められるか」とした。9月5日まで行われる国内合宿。練習初日となったこの日は、メンバーを集め「コミュニケーションをとって、距離を縮めることが大事」と伝えた。練習前のアップから積極的にメンバーと会話を重ね、チームワーク向上に努めた。

大会では金属バットではなく、木製バットを使用する。出塁を期待され、甲子園と同じく上位打線を託される可能性が高い浅野は「高松商でも木を使っていました。海外では球の速い、動く球を投げてくる。うまく対応できれば、金属と同じように打てる」と腕をぶした。長打ではなく場面に応じた打撃を心がけ、チームを勝利に導く。

○…馬淵監督は、7イニング制で行われる大会に向け「調子」を第一優先にする。打順は「パーフェクトゲームをやられるとすれば、3打席回ってくるのは3番打者まで。調子のいい選手から1番、2番という形にしないと」と話した。野手は13人しかおらず、「複数のポジションを守ってもらわないといけない」。この日の守備練習では大阪桐蔭・松尾ら捕手の3人を内野に配置した。また投手に関しては「(規定では)50球以下なら毎日投げることが出来る。1人で完投するとは考えていません」と明かした。

▽聖光学院・赤堀(副主将)「とにかく熱く、泥くさく。魂が燃えたぎるような野球を日本代表としてやっていきたい。絆を深め、強い意志を持って戦っていきたい」

◆合流遅れ 仙台育英・古川翼投手と下関国際・仲井慎内野手は体調不良のため、合宿参加が遅れると発表された。