“いぶし銀清原”がリベンジに一役買った。慶応(神奈川)が今夏の県大会準優勝の東海大相模を破り、4強入りを決めた。巨人などで活躍した清原和博氏(55)の次男・勝児(かつじ)内野手(1年)が「8番三塁」で先発し、1安打1打点1盗塁2犠打で勝利に貢献。「夏に先輩たちが負けていて意識はありました。その相模を倒せて良かったです」と笑顔をみせた。

勝利のために、必死に食らい付いた。4-2とリードした6回1死二、三塁、カウント1-1からの3球目。外角ボール球に両肘を目いっぱい伸ばし、清原はバントした。打球は投前に転がり、三塁走者は余裕で生還。「『何が何でも成功する』という意識でした。バントは得意ではないですが、練習の成果が出てくれました」。屈託のない笑顔で仲間と喜びを共有した。

今夏準々決勝で敗れた東海大相模との再戦。設定した目標は「リベンジ」ではなく「チャレンジ」だった。肩肘を張らず、積み重ねたものを発揮するというテーマを掲げた。その通りに、チームは3本塁打を浴びても萎縮せず「チャレンジだチャレンジ」と声をかけ続け、勝利をたぐり寄せた。清原は今後に向けても「チャレンジャーとして戦っていきます」と、その姿勢を崩さない。4年ぶりセンバツ出場へ、挑戦者たちの躍進が勢いを増している。【阿部泰斉】

○…日大藤沢が相洋を下し、08年以来14年ぶりの秋4強入りを決めた。エース佐藤快司(かいじ)投手(2年)が9回4安打完封で勝利に導いた。最速134キロ左腕は直球を軸に、スライダーとチェンジアップなど緩急を織り交ぜ、6回終了まで無安打投球。佐藤は「こんなにいい投球が出来るとは思わなかった」と笑顔を見せると、山本秀明監督(52)は「よく投げた。この大会で一番良かった」とたたえた。