今夏準Vの山形中央が九里学園との打ち合いを制し、13-6の8回コールドで2年連続11回目の東北大会出場を決めた。武田陸玖主将(2年)の2本塁打を含む計4本塁打で効果的に得点し、猛追する九里学園を振り切った。

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雨が降りしきる中、山形中央打線が4色のアーチでスコアボードを彩った。1回、先発の木村祐葵投手(2年)が右越えに先制ソロ本塁打を放つと3回には4番渡辺聖翔外野手(2年)が右越えにソロ本塁打。4回1死二、三塁の場面では、1番清水洸平内野手(1年)のスクイズに三塁走者がスタートしないサインミスが起きたが、続く武田が右中間3点本塁打を放ち、ミスをかき消した。武田は「自分の仕事は思いっきり振っていくこと。後ろのバッターにいい形でつなげるように、自分の役割を全うしました」と最高の形でチームの期待に応えた。

8-4で迎えた8回、九里学園に2点を返され、2点差まで詰め寄られた。しかしその裏、武田が初球の内角低め直球を捉え、右越えにこの日2本目のソロ本塁打を放つと、打線が火を噴き、5安打5得点のビッグイニング。武田は「バットの先に当たったが、振り切ったからあそこまで飛んでくれたのかなと思います。うれしかったです」と笑顔。この日チームは、4本塁打を含む16安打13得点の猛攻で東北切符をつかみ取った。

投手陣が不安材料だ。奈良崎匡伸監督は「最悪の試合でした。投手陣がこのままだと厳しいなという気はします」と四死球「6」、被安打「12」の投手陣を嘆いた。決勝は、夏の決勝で敗れた鶴岡東と対戦する。指揮官は「すぐにリベンジさせてもらえるのはありがたい。楽しみでしょうがないです」。武田も「精いっぱい泥臭くやっていきます」と心待ちにしている。新チームでリベンジを果たし、東北大会へ勢いづく。【濱本神威】