中越は日本文理を5-4で破り、5年ぶりで秋の決勝進出を決めた。エース野本壮大(2年)が4安打4失点で完投した。決勝と順位決定戦は明日26日、ハードオフ新潟で行われる。

最後の打者を中飛に打ち取ると中越の野本は右腕を突き上げ、人さし指を立てた。最終回、日本文理の猛反撃に遭った。1死から四球と3連打で3点を失う。「ストライクを取りに行ったところを打たれた」。8回まで5-1と4点あったリードは1点に減った。それでもコーナーを突き、ピンチを切り抜けた。

4失点も強打の日本文理に4安打しか許さなかった。5回2死までは無安打。8回まで1安打1失点だった。「力が入った」と今夏の甲子園出場校に牙をむいた。4、6回には先頭打者を失策で出すなどリズムを崩しかねない場面もあった。そこも「失策してもいいと仲間には話してある。ミスを怖がって欲しくない」と表情を変えない。夏までのエース小幡拳志郎(3年)からは試合前、「文理に勝ってくれ」とLINEが届いた。先輩の思いも背負っての118球だった。

本田仁哉監督(46)は「9回は勝ち急いだが、しっかり流れを作ってくれた」と粘投をたたえた。4番に座る打撃でも1回裏に先制の中前打を放つなど3打数2安打で1打点。「決勝も投げたい」。8年ぶりの秋制覇へ大黒柱がチームをけん引する。【斎藤慎一郎】