3年ぶり8度目出場の函館大柏稜が、道大会では3季通じて初となる函館大有斗との兄弟校対決を3-2で制し、秋は初の全道1勝を挙げた。先発右腕の熊倉柚季投手(2年)が、同点の9回に自ら中越え二塁打で出塁し、加藤桔平二塁手(1年)の勝ち越し中犠飛で生還。投げても最速120キロ未満のストレートとカーブを巧みに組み合わせ、10安打を浴びながら2失点完投と、投打で勝利に貢献した。

甲子園13度出場の“アニキ校”との直接対決を制した。熊倉は「有斗には夏の練習試合でずっと負けていた。何とかリベンジができた」。夏場の練習試合は3戦全敗。熊倉と平田滉稀捕手(1年)は組み合わせ決定後、有斗全打者の特徴を動画で分析し、それぞれの配球を話し合いシミュレーションしてから試合に臨んだ。熊倉は「準備したことと、夏以降にやってきた外と内の低めへの制球が、生かせた」と振り返った。

野村直毅監督(30)は有斗OBで、相手の片口伸之監督(42)は、高校時代の恩師。野村監督は「有斗で学んだことを子どもたちに教えてきただけ。その姿を片口先生に見せることができた」。片口監督は「向こうは負けから積み重ねたものがあった。いい野球をされた。負けるべくして、負けた」と話した。

夏は12年に南北海道大会4強も、秋はこれが初8強。決勝打の加藤は「次につながる大きな勝利。でもまだ先がある。集中したい」。兄弟校の思いを背負い、勝ち上がる。【永野高輔】

◆6回から継投し4回3安打1失点と好投した函館大有斗・山口虹輝投手(2年) (9回に勝ち越し打を許し)最後に攻めの投球ができなかった。気持ちの弱さ。練習から詰めていかないと。