秋季高校野球北信越大会が15日からハードオフ新潟など新潟県内3球場で開催される。来春のセンバツ出場(北信越枠2)を懸け、北信越5県から16校が出場。日刊スポーツ新潟版では新潟県代表4校のキーマンを紹介する。東京学館新潟(新潟3位)は1回戦で日本航空石川(石川1位)と対戦。北信越大会初勝利を狙い、1番打者・渋川優希中堅手(2年)がチームの先頭に立つ。

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目標に向かって東京学館新潟の1番打者の渋川が先頭で突っ走る。「学館の歴史を変えるために北信越で1勝したい」と標的へ一直線だ。東京学館新潟は春秋を含め、北信越大会に5度出場も未勝利。県大会優勝で挑んだ今春も丹生(福井)に1-8で敗れた。悲願の北信越1勝へ、口火はトップバッターが切る。

県大会チーム打率は2割7分7厘も、渋川は3割9分1厘の高打率を残した。「1番が出塁するとチームの意気が上がる」と先頭打者の役割に徹する。旅川佑介監督(40)は「臆せずバットを振っていく」と適性を買っている。自宅に帰っても納得いくまで素振りをするのが日課。40分以上になることもあった。「県大会は当てにいくだけのスイングがあった」と反省点をつぶす作業に励んできた。

中堅手として先発メンバー入りした昨秋の準決勝、日本文理戦で味わった悔しい思いが原動力になっていた。6-7の9回2死二、三塁で最後の打者(遊ゴロ)になってしまった。それが、勝利を目指すための“栄養”だ。「メチャメチャ悔しかった。悔しい負け方はもうしたくない」。渋川は勝利だけを見ていた。【涌井幹雄】

◆渋川優希(しぶかわ・ゆうき)2005年(平17)12月13日、新潟市生まれ。野球は大鷲小2年の時に大鷲スポ少で始める。白根北中時代は新潟江南シニアに所属した。178センチ、75キロ。右投げ右打ち。