広陵(広島)が逆転勝ちで中国大会の決勝に進み、2年連続のセンバツ出場を確実にした。

来年のドラフト候補、真鍋慧(けいた)内野手(2年)が主砲の意地を見せた。2点を追う8回1死二、三塁で一塁線を破る二塁打を放って追いつき、逆転劇に貢献した。

189センチの巨体が鋭く回った。「反応で打ちました」と内角直球に腕をたたんた。高校通算47本塁打を誇る世代屈指のスラッガーだが、今秋の公式戦はまだ1本。ヤクルト村上のように大きくバットを引いていた構えをこの試合は小さくした。法大でプレーする兄の駿内野手(3年)から指摘を受けていた。

一塁守備での痛恨のミスを取り返した。6回、スクイズの処理を失策、野選と2者連続でミスしていた。中井哲之監督(60)から伝令で「お前が打てなくても悔いはない。思い切って打て」と背中を押され、無心でバットを振った。

今夏は広島大会で敗戦。「負けたらセンバツには出られないと思っていた。明日勝って優勝したい。夏は自分が打てずに負けたので借りを返すつもりでいる」と待ちわびた春へ目を向けた。【柏原誠】

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