日米通算4367安打のイチロー氏(49=マリナーズ球団会長付特別補佐兼インストラクター)が3、4日の2日間に渡り、富士(静岡)のグラウンドで、同校の男子硬式野球部員を指導した。

79年と89年に甲子園に出場した経験があるとはいえ、強豪ではない同校を、なぜイチロー氏は訪れたのか。「みんなに(臨時指導を)リクエストされたわけでも、監督さんからリクエストされたわけでもない。地域の子どもたちに野球振興、普及活動を熱心に取り組んでいる。みんなは勉強もすごく頑張っている。リーダーとなって地域に還元する目標があると聞いてきました」と、説明した。同校は地域への野球普及活動に熱心で、保育園児などに野球を教える取り組みをしている。

初日の3日、イチロー氏がバックネット側の通路からサプライズで登場すると「え!」、「ガチ?」などと選手たちは戸惑いを隠せなかったが、すぐに笑顔に。イチロー氏も「想像、してなかったよね?」と笑い飛ばしていた。

◆富士 1923年(大正12)に富士中として創立した県立校で、今年創立100周年。野球部創部は1933年(昭8)。部員数は19人。79年夏の甲子園、87年のセンバツに出場。14年のセンバツでは21世紀枠の静岡県推薦校に選ばれたが出場はならなかった。今夏の県大会は3回戦敗退。主なOBは巨人、広島などで通算118勝を挙げた渡辺秀武、戦場カメラマンの渡部陽一ら。所在地は静岡県富士市松本17。杉山禎校長。