日本高野連は9日、第95回記念選抜高校野球大会(23年3月18日開幕、甲子園)の21世紀枠の地区候補9校を発表し、東北からは由利(秋田)が選出された。今秋は県準優勝で初出場の東北大会で1勝し、8強入り。07年創部で春夏通じて初の甲子園出場の可能性が出てきた。同枠を含む代表36校は来年1月27日の選考委員会で決定。同枠は9校のうち3校(東日本と西日本から各1校、地域限定なし1校)が出場権を得る。

    ◇    ◇    ◇

3年ぶり2度目の県推薦を経て、由利本荘市の同校にうれしいニュースが飛び込んだ。午後3時56分。斉藤広樹監督(46)から東北6県の代表に推薦されたことを伝えられたナインは、引き締まった表情を見せた。授業後にクラスメートから「おめでとう」と声をかけられた梶原琉生主将(2年)は「先輩たちの頑張りがなければこのような結果につながらなかった。もっと上に行けるように頑張りたい」と意気込んだ。

試合での「発揮力」が、由利の強さだ。創部初出場の東北大会では、2回戦で弘前東(青森)に16安打9得点で快勝。準々決勝は今夏甲子園4強の聖光学院(福島)に2-3で延長11回サヨナラ負けしたが、8回まで2点をリードし、最後まで強豪を苦しめた。県大会を含め、今秋の全8試合に先発した関優来(ゆら)投手(2年)は「試合では結果がすべて。その日で一番良い結果を出せるので、試合では最大限(力を)出せることが自分たちのいいところ」と説明した。

21世紀枠の発表は来年1月27日。だが、重要にしているのはそこではない。大館鳳鳴(秋田)の監督として11年センバツに同枠で出場した斉藤監督は「県の代表に選ばれてから3月18日を合言葉にしている。選ばれてから準備する段階では間に合わないので、3月18日からの逆算で動いています」と強調した。18年は同市内の由利工が同枠で出場したが、初戦敗退。甲子園を夢見ながら最善の準備を続けていく。【相沢孔志】