21世紀枠で選ばれ、30年ぶりの甲子園出場になる氷見(富山)の西川晃成内野手(2年)には偉大な親戚がいる。

西川の祖父が、ソフトバンク王貞治会長(82)と「いとこ」なのだ。

小学生の時に聞いて驚いた。「野球に対して努力する姿の象徴だと思う。偉大すぎる方です」。王さんの母・登美さんが氷見の出身。王さんも幼少のころから母の地元を訪れ、深い思い入れを持つという。

16年、世界少年野球大会で富山を訪れた王さんと初めて会った。当時、小学5年生。いとこである祖父の家に王さんを招いた。西川も同席。隣に座り、富山のきときと(新鮮)な刺し身を一緒に口に運んだ。夢のような時間だった。王さんに言われた「野球がんばって」の言葉は忘れない。色紙やボールにサインをもらい、写真はずっと自宅の玄関に飾ってある。

線はまだ細いが、高い身体能力を生かして遊撃を守り、出塁を期待されて打線の上位を任される。「世界のホームラン王」とはタイプが全く違う。1本足打法を取り入れようと思ったことは「ありません」と笑った。野球人として似ている部分を聞かれても「うーん…」と頭をかいた。

あこがれた聖地でアピールする準備はできている。「軽快な守備と、打線の流れを作る守備。強いライナー、ミスショットをしない打撃を心がけています。長打力がないので、長打を打てるようにスイングを速くしようと練習しています。もちろん、守備はミスのないように」。

頭髪は自由だが、王さんと会った当時から変わらず丸刈りを貫く。王さんが早実時代に頂点に立った甲子園。「挑戦者として1つ1つのプレーに力を傾けたい」と静かに心弾ませた。【柏原誠】

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