三度目の正直だ!! 石橋が21世紀枠で第95回選抜高校野球大会(3月18日開幕、甲子園)出場を決めた。春夏を通じて初の甲子園出場となる。

昨秋県大会は4強進出。高いレベルでの文武両道の実践や、地域の小学生向けに肩や肘の検診を兼ねた野球教室の開催などが高く評価された。16年、20年にも関東・東京地区推薦枠に選出されたがあと1歩及ばず。3度目の挑戦で、ついに聖地への切符を手にした。

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瀬端徹校長から吉報が届けられた瞬間は静かだったナインだが、一段落すると肩を抱き合い、涙を流して喜んだ。横松誠也主将(2年)は「2回分の先輩方の思いもあると思うので。『お前たちだからこそ甲子園に行ける』と思われるプレーを見せられるようにしていきたい」と宣言した。

地域の小学生を対象とした野球教室は13年から開催している。部員による技術指導だけでなく、NPO法人「野球医療サポート栃木」と協力して、肩や肘などのメディカルチェックを行う。横松主将も小学生時代に野球教室に参加。「小さいころから診てもらうことでケガへの意識がつきました。風呂上がりにストレッチしたり意識付けになった」と振り返る。

チームの持ち味は元気の良さ。声をかけあって楽しく練習に取り組む。昨秋県大会直前には新型コロナの影響でメンバー20人中10人を変更。それでも3回戦まで毎試合2ケタ得点、3試合連続コールドで4強進出。右膝の半月板手術の影響で三塁コーチだった横松主将は「ほんとに全員野球で勝てた。チーム全員で秋の大会を経験することが出来たので、プラスかなと思ってます」と話した。

横松主将の帽子のつばには「苦」の文字。「先輩から『苦しい時があってこそ楽しさがある』と。チームをまとめるのが難しく苦しんでたんですけど、こうやって今、楽しい経験が出来ている」とかみしめる。同校初の聖地では「得られるものがたくさんあると思う。試合の中でも学ぶということを忘れずにやっていきたい」と“文武両道”を貫く決意だ。【鈴木正章】

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