第95回選抜高校野球大会(18日開幕、甲子園)の組み合わせ抽選会が10日、大阪市内で行われた。

東日本大震災の11年以来、12年ぶり20度目出場の東北(宮城)は18日、開幕試合となる大会第1日第1試合で山梨学院と対戦する。

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東北は甲子園で「エンジョイベースボール」を貫く。東日本大震災が発生した11年以来、12年ぶり20度目出場の今大会。開幕戦で昨秋関東王者・山梨学院との対戦が決まった。佐藤洋監督(60)は「関東を代表する強豪校なので、胸を借りるつもりで楽しみたい」。その上で「『自分との闘い』というのをずっと選手たちに言っている。いかに東北高校の楽しい野球を、甲子園のグラウンドで選手たちが表現してくれるかを集中して見守りたい」。勝敗に一喜一憂せず、自分自身と向き合うことを重要視する。

昨年8月に東北OBで元巨人の佐藤監督が就任し、快進撃を続けた。昨秋は宮城県大会で優勝、東北大会で準優勝。県大会では昨夏甲子園王者の仙台育英にも競り勝った。最速145キロ右腕・ハッブス大起投手、安定感抜群の左腕・秋本羚冴(りょうご)投手(ともに3年)の左右2枚看板を軸に、全試合を継投で戦ってきた。打線は決して強力ではないが、投手陣が踏ん張り、数少ない好機を仕留めるのが東北の野球。甲子園でもやることは同じだ。

山梨学院との開幕戦に向けて佐藤響主将(3年)は「自分たちらしく粘り、しっかり守ってワンチャンスを生かすような試合展開に持っていければいい」と力を込める。「後悔がないように、今まで準備したことを出し切り、緊張せず、楽しめれば一番いいと思う」。12年ぶりとなるセンバツで「エンジョイベースボール」を全国に届ける。