センバツ8強が出そろった。東海大菅生(東京)は最速150キロ右腕のエース日当(ひなた)直喜投手(3年)が119球、7奪三振で沖縄尚学に完封勝利。

器用な指先を持ち、多彩な変化球で相手打線を翻弄(ほんろう)。21年春以来2年ぶりに準々決勝進出を決めた。連覇を狙う大阪桐蔭は、スクイズで挙げた1点を守り抜いて能代松陽(秋田)に勝利。報徳学園(兵庫)は東邦(愛知)とのタイブレークを制した。昨夏優勝の仙台育英(宮城)は龍谷大平安(京都)に快勝した。

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能代松陽のエース森岡大智投手(3年)は2安打1失点完投と大阪桐蔭打線を抑え込んだ。春連覇を目指す強豪相手にも、「今日負けたら引退の気持ちで試合に臨んだ」と強気でマウンドに上がった。初回に2連続四球でピンチを招くも、それ以降は落ち着きを取り戻し、5回まで無安打投球。7回にスクイズで決勝点を奪われたが、初戦の完封勝利に続き快投した。

兄大翔さん(20)の思いも背負って大舞台を投げ抜いた。大翔さんも同校の野球部出身。だがコロナで最後の夏は甲子園を目指すことなく終えた。夢を託した弟の奮闘。「すごい相手に0を並べているのは信じられない」とスタンドで驚いた。森岡は「夏は家族にもっと活躍する姿を見せたい。すべての試合で完封して日本一を目指す」と、さらなる成長を遂げて聖地に帰ることを誓った。