昌平が7回コールドで川口を破り準々決勝進出を決めた。

公式戦初出場、初スタメンの1年生、桜井ユウヤ内野手が、4打数3安打3打点の活躍で勝利に導いた。2-0で迎えた3回、1点を返し、なおも無死満塁。この日2打席目の桜井は、スライダーを中前へ運ぶ2点適時打。7回には1死一塁から中越え適時三塁打を放ち10点目を挙げた。「初めてで緊張したんですが、前にも後ろにもいい打者がいるので、ラクな気持ちで打席に入れました」と、笑顔を見せた。

生まれもったパワーを発揮した。両親ともにタイ人で、桜井は生まれも育ちも日本。3歳から8歳までサッカーを習い、小2から野球を始めた。フルスイングがモットーで「素振りでもいつもフルスイングしている。強いスイングが得意です」と胸を張った。黒坂洋介監督も「パワーが違います。バッティングはものが違う」と舌を巻いた。

YouTubeの日刊スポーツ野球チャンネル・昌平の「高校球児の1日」を見て栃木県那須塩原市から入学を決意。「監督のミーティングのシーンで『ノリ良くいこう』と言っていた。楽しそうにやっていて、バッティングスタイルも自分に合っていた」。入学からわずか1カ月足らずで、憧れのチームの輪の中で、のびのびとバットを振っている。

目指す選手はカブス・鈴木誠也外野手。「将来は、頼られるバッターになりたいです」と、まだあどけない表情を浮かべる。強打の昌平に、また1人、頼もしい選手が加わった。