“泥臭さ”が際立った。光南が福島商に8-6と逆転勝ち。3-4で迎えた8回無死二、三塁、須藤颯歩外野手(はやと、2年)が2点適時打を放ち逆転。安打と相手失策でつかんだ好機を逃さず、この回4安打で6得点を挙げ、勝利をたぐり寄せた。

田村は帝京安積に7-4で勝利。2回に7得点のビッグイニングをつくり、逃げ切った。

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粘り強く打線をつないだ。2-4で迎えた8回、先頭の高原流星投手(3年)が右前安打。渡部叶大外野手(3年)、北畠勇吹内野手(2年)が相手失策で出塁。1点を返し、なおも無死二、三塁のチャンスに須藤が、4球目の低めストレートをはじき返してガッツポーズ。ベンチに向け、笑顔で応えた。須藤は「中盤からチームテーマの“泥臭さ”に向かって、光南らしい野球ができました」と振り返った。

昨秋以来の1ケタの背番号で結果を残した。秋以降は打撃不振に苦しみ、3~4月はBチーム。その間はティーバッティングを繰り返し、左手の使い方や形を意識した。4、5月の県南支部予選メンバー入りはかなわなかったが、5月1日の支部予選決勝前のAチームとの合同練習で須藤のバッティングが渋谷武史監督の目に留まり、Aチームに復帰。この日は2安打2打点の活躍を見せ「形を意識しながらやったことが今日のバッティングにつながったと思います。打球の質、角度に今までにない感覚があります」と手応えを実感した。

14日はベスト8を懸け、東日本国際大昌平と対戦する。須藤は「初戦で何かきっかけをつかめたと思う。この後も光南らしい試合をできるようにやっていきたい」と意気込んだ。チームのテーマ“泥臭さ”を体現し続ける。【濱本神威】

○…田村は「石川離れ」で県大会1勝だ。エースで大黒柱の石川蓮也主将(3年)がこの日は登板せず。山本知輝(2年)-蒲生哲也(2年)-渡辺夏生(2年)の継投で4失点にまとめ、2回の7点を守り切った。8回から登板した渡辺夏は1安打無失点。先頭打者に3連続ボールと制球が定まらなかったが、国分紘也捕手(2年)に「真ん中ストレートでいいから腕を振って思いっきり投げろ」と声をかけられ、「気持ちが楽になった」。カウント3-0から3球三振。9回はわずか8球で3者凡退に抑えた。