帝京（東京1位）が一進一退の攻防を制し、センバツVの山梨学院（山梨1位）に勝利した。
最後まであきらめないー。何度逆転されても、帝京ナインは前を向いた。8回、逆転打の生井沢海里捕手（3年）は「相手は日本一。受け身はダメ。倒す気持ちで向かって行く」と打席に立つと、センバツV投手の林謙吾投手（3年）の直球をレフトへ運んだ。まるで優勝したかのように喜ぶベンチのチームメートに目を移し「最高です！」と大きくガッツポーズを作った。
初戦の対戦相手が山梨学院に決まると「優勝チームと対戦する機会なんてめったにない。うれしくて勝つことしか考えていませんでした」と、気持ちを高ぶらせた。
すぐにチーム全員で林投手対策を始めた。ファーストストライクを狙う。フライではなく低い打球でプレッシャーをかける。そしてチームのモットー「全力疾走」を徹底する。試合中盤から尻上がりに調子を上げてきた林に対し「球の質がよくなってきたので、ボールの上を打つ、という作戦を徹底しました」と狙いを絞り、積極的に振る。相手がV投手でも、1歩も引くことはない。選手たちのたくましい姿に金田優哉監督（37）も「よく粘りましたね。選手たちは研究していましたし」と、目を丸くした。
山梨学院を破り、波に乗る。生井沢は「これからどこと対戦してもやっていることは変わらない。しっかり全力疾走でとれるアウトをとる。次もしっかり勝つ。目指すは優勝です」と、力強く話した。
