加藤学園(静岡1位)が至学館(愛知2位)を3-1で振りきり、秋も含めて初の東海制覇に王手を懸けた。

エース左腕・吉川慧(3年)が、7回2/3を8安打1失点と粘投。6-5でサヨナラ勝ちした昨秋東海大会1回戦のリベンジを狙った相手を返り討ちにした。

「夏の連投を見据えて」。米山学監督(45)から託された20日の初戦に続く先発マウンドで、吉川が期待に応えた。3者凡退は6回の1度だけ。何度も走者を背負ったが、動じなかった。「本塁さえ踏ませなければいい。気にせず、緩急を使って投げられた」。3回には、片山晴貴捕手(2年)が飛び出した二塁走者を補殺。野手陣も2併殺を奪うなど味方の堅守にも支えられ、要所を締めた。

8回に1死満塁のピンチを招き、犠飛で1点を返されたところで降板。「(連投でも)1試合を投げきるだけの体力をつけないと」と夏への“宿題”を残したが、試合をつくった。指揮官も「7回までと思っていた。粘り強く投げてくれた」。及第点の120球で勝利を引き寄せた。

中1日で迎える23日の決勝(草薙球場)では、県岐阜商(岐阜1位)と対戦する。吉川は「次も投げたい。自分らしい投球ができるように準備したい」と力を込めた。勝って、夏に向けて大きな弾みをつける。【前田和哉】