今春センバツ出場の専大松戸(千葉)が、3回途中から登板した青野流果投手(3年)の好救援で4強入りした。

「マウンドに上がった以上は自分がエース。今を全力で投げるだけ」。青野は自分に言い聞かせるようにマウンドに立った。後ろには最速151キロ右腕・平野大地投手(3年)、背番号10の渡辺翼投手(3年)もいる。「後のことを考えずに、その瞬間を全力で投げていました」。

先発の梅沢翔大投手(2年)が相洋打線に真っすぐを捉えられ3失点。救援マウンドに向かう青野に、持丸修一監督(75)が声をかけた。「変化球を多めに投げろ」。その指示に応え、右打者へはスライダー。左打者へはツーシームでカウントをとり、緩急をつけ打ち取った。「変化球でストライクゾーンでカウントをとったら、打ち損じてくれた。ゾーンで球種を絞らせないように配球しました」。持ち前の器用さを発揮し、相洋打線を3安打無失点に抑える好救援。流れを呼び込み打線につなげた。

1戦ごとに自信をつけ、成長している。初戦の浦和学院戦では6回から救援し、5安打されながらも1失点に抑えた。中学時代は強豪・上一色中で活躍し、大舞台は経験済み。持丸監督は「度胸はありますから」と太鼓判を押す。専大松戸では2年夏からベンチ入りも、昨秋はエースの平野大地投手(3年)に頼り切りだった。青野に必要な経験を、この舞台で1戦1戦積み、力をつけている。青野は「大きな大会で抑えることで、もう一段階強くなったり自信を持つことができる。自分にとっていい大会です」と、胸を張った。

平野とはタイプの違う青野の成長で、専大松戸は強さを増す。「これからも全力で投げます」。頼もしい言葉に、自信がみなぎっていた。【保坂淑子】