春5連覇を狙う花巻東が、サヨナラで4強入りを決めた。

高校歴代最多の129本塁打を誇る佐々木麟太郎内野手(3年)が、背中の痛みで2試合連続欠場も盛岡誠桜に4-3で勝利。2番小林然捕手(3年)が、サヨナラ適時二塁打を放った。27日の準決勝では盛岡四と対戦する。一関学院、盛岡三も4強入りした。

激戦に終止符を打ったのは、伏兵・小林だ。3-3の9回、先頭の堀川琉空内野手(3年)が左前打、続く久慈颯大外野手(3年)が犠打で1死二塁の好機を演出。小林が打席に入る前、欠場した佐々木麟から声をかけられた。「麟太郎は『相手投手は左打者に対して外角中心(に攻めてくる)』と言っていて、『思い切って張っていい』と鼓舞してくれた」。2ボールからの外角直球を左越えに運ぶ適時二塁打。主砲の「予言」が見事に的中した。

花巻東は初回2死二、三塁からの北條慎治外野手(3年)の先制3ラン以降、7回2死まで無安打が続いた。9回に「何とか自分が決めてやる」と捉えた小林の一打は、チーム5安打目。佐々木麟不在が響いた形だが「いつもは麟太郎が大きい当たりとかでけん引してくれる。いないのは大きいが、自分たちのできることをやっていこう」と団結し、接戦をものにした。

頂点まであと2勝だ。「春5連覇を達成し、夏に優勝するために第1シードを取りたい」と小林。打順が9番から2番に昇格し、2打数1安打1打点、1四球、2犠打と結果で応えた仕事人が、花巻東打線を活性化させる。【山田愛斗】