高崎健康福祉大高崎(群馬1位)は木更津総合(千葉2位)に10-7で勝利し、18年以来5年ぶり3度目の優勝を決めた。

主将の森田光希内野手(3年)が2ラン本塁打を放つなど野手全員安打を記録し、計16安打10得点と打ち勝った。終盤に追い上げられたが集中力を切らさず、全員野球で頂点へ駆け上がった。

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力強いスイングに迷いは無かった。2-0で迎えた4回、3点を追加し、なおも2死二塁。森田は「とにかく積極的にいこうと思った」と初球の外角高め直球を左翼席へ放り込んだ。前日の準決勝では3打数3三振も「他の選手も信頼している。自分の結果はどうでもいいと思っているので、そんなに落ち込まず次に向けての準備ができた」。仲間への信頼感が、大一番での一振りにつながった。

終盤の強さが際立った。初戦の土浦日大戦は4点ビハインドからタイブレークで勝利。準決勝まで全3戦で8回以降に決勝点を奪った。この日は7点のリードを7回表には1点差まで迫られた。それでも「初戦で4点差から機動力を使って勝てたのが自信になった。一発勝負にかける思いが上がった」と7回、8回に追加点を奪って突き放した。

エース不在のピンチも力に変えた。県大会準決勝の前橋育英戦で18奪三振を記録した最速150キロ右腕の小玉湧斗投手(3年)が、関東大会の開幕1週間前に左内転筋を負傷し戦線離脱。この逆境を全員でカバーし、乗り越えた。この日先発の石垣元気投手(1年)は5回に5失点したが、4回まで無安打投球と序盤の大量得点への流れはつくった。準決勝は佐藤龍月(りゅうが)投手(1年)が4回1失点。森田も「持っているものは1年生以上」と太鼓判を押す期待の下級生コンビが奮闘した。

関東王者で迎える夏に向け、負のジンクスを払拭する。優勝した過去2回、甲子園切符を逃した。森田は「8年ぶりの甲子園出場と日本一を達成できるように頑張りたい」と誓った。結束をさらに深め、三度目の正直を目指す。【星夏穂】