北海道栄が延長10回タイブレークの末、立命館慶祥を8-7で下し、北海道桜丘時代の91年以来32年ぶりの春全道制覇に王手をかけた。

接戦に競り勝ち、2年ぶりの決勝進出だ。9回に4点差を追いつかれ、突入した延長戦。タイブレークの10回1死二、三塁から、9番岡本陽葵(はるき)二塁手(3年)が右前に適時打を放ち勝ち越しに成功した。その裏、立命館慶祥打線に得点を許さず1点を守り切った。決勝打の岡本は「チャンスで回ってきて、しっかり決めることができてよかった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

相手打線に15安打を許したが、最後はエース右腕の山崎晄投手(3年)が踏ん張り、延長戦で勝利をもぎ取った。北海OBで今春就任の加藤功臣監督(38)は「今でも震えが止まらないくらい、しびれる試合でしたが勝ててよかった。ほっとしています」と振り返った。

北海道桜丘時代の91年以来の春全道優勝に王手をかけた。現校名でも08、16、21年と3度決勝に進出しているが、一昨年は札幌日大に敗れるなど、いずれも札幌勢の壁に阻まれ、あと1歩で優勝に手が届かずにいる。神野航汰主将(3年)は「明日の一戦に向けて自分たちはすごく燃えている。しっかりと全力を注ぎたい」と、昨秋準優勝の難敵北海との決勝に挑む。【山崎純一】