“混戦岩手”をかき回す。大船渡は春の県大会2回戦で、21年夏覇者・盛岡大付に7-6で勝利。守備の要として今野秀太朗主将(3年)が遊撃からチームを鼓舞。4番を務めた上野樹投手(3年)が8回途中から先発したエース佐々木怜希(3年)を引き継ぎ、2回2安打1失点の好投。チーム一丸で勝利を収め8強、夏のシード権を獲得した。大船渡は14日の2回戦から登場し、盛岡農-遠野緑峰の勝者と対戦。勢いそのままに84年以来39年ぶりとなる聖地ヘと駆け上がる。
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春の県大会は自信を深める機会となった。今野は「地区大会では私立と戦えていなかったので、ワクワクとドキドキがありました」。迎えた初戦は盛岡大付に7-6の大金星。今野は「ピンチで多くゲッツーを取れたことが勝利につながりました」。4回1死満塁の場面で二-遊-一。5回無死一、二塁では三ゴロ併殺。9回1死一塁では遊ゴロ併殺でゲームセット。1試合に3併殺を完成。ピンチの場面での守備力が光った。
準々決勝は昨夏Vの一関学院と対戦したが、2-10の完敗。だが今野は「負けてしまったが、これも何かの運命かなと思っている。夏でリベンジできたら」と、昨夏覇者に敗れた経験を生かして夏は自分たちが優勝するドラマチックな展開を思い描いている。この試合、4番として無安打、投手として5失点に終わった上野も「4番にしろ投手にしろ、チームの流れを作ることが大事。『自分が打つ、自分が抑える』という自覚を持ってやっていきたい」と前を向いている。
縦じまのユニホームで甲子園の土を踏む。春のベンチ入りメンバーは半分が大船渡一中出身。そのほかも大船渡、陸前高田の中学から集まった岩手出身の選手たちばかり。今野は「縦じまが憧れでした。縦じまを着て甲子園に行きたい」と意気込み、上野は「地元からやってきたメンバーとやるのは今年が最後になると思う。そのメンバーと一緒に少しでも長く勝ち続けたい」と決意を新たにした。84年の春夏連続出場から遠のいている聖地へ。憧れの縦じまに袖を通し、地元の仲間とともに下克上を成し遂げる。【濱本神威】

