古豪復活へ、好発進した。激戦の神奈川大会が8日、開幕。春夏通算で甲子園出場11度、優勝2度を誇る法政二が秦野曽屋との1回戦を5回コールド勝ちした。毎回安打毎回得点の14安打14得点。楽天三木肇2軍監督(46)の長男で主将を務める三木翔大郎捕手(3年)が先制打&2ランと気を吐いた。投げては、内田悠人投手(2年)が5回参考ながら完全試合を達成した。

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身長186センチ、体重81キロの偉丈夫が放った打球は、三遊間を破った。初回2死二塁、三木は初球スライダーを逃さない。「まずは先制が大事と思ってました」と、狙い通りの適時打に胸を張った。先頭が初球を右前打。2番も初球でバントを決め1死二塁。流れるようにチャンスをつくったが、3番が遊ゴロ。嫌な空気が漂い始めていただけに、4番の一振りを絹田史郎監督(59)も「よく打ってくれた」とたたえた。

主将で4番で捕手。文字通り、三木が“幹”となっている。自覚も十分。昨夏もマスクをかぶっており「初戦は難しい。まず1点を取ろう」と呼びかけてきた。自らのバットで、それを果たし「理想通りです」。硬さが取れた打線は2回以降、着実に加点。三木も5回に14点目の2ランを放ち、守っては内田を引っ張り、完全試合を果たした。

有言実行は、日ごろの行いのおかげかも知れない。父には「野球はあまり教えてもらいませんでした」。口酸っぱく言われたのは「靴をそろえなさい。米は残すな。皿を片付けなさい」といった日常生活のことばかり。連絡を怠り「それじゃ社会では通用しない」としかられたことも覚えている。律することで視野が広がった。「後ろのランナーに気付いたり。野球につながっていると思います」。

88年夏以来の甲子園へ。絹田監督は「強い法政二高を取り戻す。1歩ずつ、1戦ずつです」。守りは基本、三木に任せている。その三木は、父から「高校野球は人生1度きり。楽しめ」とエールを送られた。楽しみ尽くした先、古豪復活を成し遂げる。【古川真弥】