大阪大会では、桜宮が15点を奪って快勝した。阪神井上と同じ漢字の井上広大(こうだい)内野手(3年)が3安打3打点。大会前にはOBの阪神矢野前監督の激励も。「虎パワー」を受けて公立の雄が好スタートを切った。

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桜宮の井上広大がチームを勝利に導いた。2回2死二塁で打席が回り、相手の直球を左前にはじき返した。チームを勢いづける先制タイムリーだ。「打ったのはインコースの真っすぐ。先制点を取れて、楽な気持ちになった」。3回には右中間への2点適時二塁打を放つなど3安打3打点とハッスルした。

阪神でプレーする井上広大(こうた)外野手(21)とは読み方は異なるが漢字が同じ。親が阪神ファンで名前の由来は元阪神の桜井広大氏。自身も阪神ファンで安芸キャンプに足を運んだこともある。阪神井上のタオルやキーホルダーも持っているが、「意識はしていない」ときっぱり。自身の強みについては「持ち味は長打を打つこと」と語る。この日は二塁打2本と本領を発揮した。

春の大会後には、同校OBで前阪神監督の矢野燿大氏(54)がサプライズで学校を訪れた。「甲子園を目指して頑張れ」とエールを送られた。猛虎に縁のある井上広が最後の夏初戦で好発進した。

井上広だけでなく、4番で主将の井上大志(ともゆき)内野手(3年)も3安打3打点の活躍。普段は仲のいい2人だが、野球ではお互いを意識して高め合っている。井上大は「バッティングがいいので負けないように」と言えば、井上広も「守備がとてもうまい。コンパクトなバッティングやチームをまとめてくれ、いい主将」と話す。「ダブル井上」が打線をけん引した。

チームは15得点の猛攻で7回コールド勝ち。次戦はシード校の箕面学園と対決する。井上広は「私立高校を倒すために公立の桜宮に入学した」と闘志をむき出しにする。悲願を達成し、同校初の夏の甲子園出場を目指す。