「仮面ライダーの神様」がみんなを救った。第1シード・横浜隼人の先発、山口喜貴投手(3年)は5回2安打無失点と好投し、チームは7回コールドの快勝で初戦を突破した。

約1カ月前の抽選会後に先発を伝えられたが「責任感はあったけど、それ以上にわくわく感と大会の楽しみがあった」と初戦でも緊張はなかった。丁寧にコースに投げ込み、アウトを重ねた。「自分のピッチングをすれば打たれないと言われていた。自分を信じて1球1球投げた」と振り返った。水谷哲也監督(58)も「落ち着いて、しっかり投げてくれた」と最高気温35度の灼熱(しゃくねつ)の中で力投した山口をたたえた。

みんなのヒーローになった。試合会場へ出発する前、マネジャー室に入って、突然「へーんしん!」と仮面ライダーの変身ポーズを披露。見事に大爆笑をかっさらい? 精神的にも調子を上げたようだ。「いつも通り変わらずやっていこうという思いだった」と真意を明かした。試合前の円陣では必ず中心にいる。この日も「甲子園優勝のための第1歩、いつもより気合を入れていこう」と盛り上げた。

夏は始まったばかり。「1個1個勝ちに行く。その戦力になれるようにまずはベストのコンディションを作っていきたい」。縦縞のユニホームを身にまとい、敵を倒していく。【星夏穂】