幕張総合のドラフト候補に挙がる最速151キロ右腕・早坂響投手(3年)が6安打されながらも3失点と粘り強い投球で完投勝利で3回戦突破を決めた。

今大会2戦目の先発マウンドに立った早坂は「校歌を聞いているときに、勝利の実感が湧いてうれしかった。身体的な疲れはあるんですが、心はスッキリしています」と、汗でいっぱいの顔に笑みをのぞかせた。

初戦とは違う緊張感があった。小学生の頃、ロッテのファンクラブに入り、20回以上も通ったZOZOマリンスタジアムのマウンド。「こんな景色でプロ野球選手は投げているのか」と、初回からギアを上げた。中越え二塁打を許した球はこの日最速の150キロを記録した。

5回には四球に自身の失策も絡み3失点。ふと顔を上げると、内野自由席で声を出してジャンプをしながら応援した幼いころの記憶がよみがえった。今、球場の応援を一身に浴びながらマウンドで投げている。「広くて、球場からもエネルギーを感じました」。

再び、エンジンがかかった。キレのある真っすぐとスライダーで奪った三振は9。最終回にも球速は147キロを記録するなど、力強く投げきった。「今日は取りたい時に空振りも取れたし、途中、疲れて球速も落ちたんですが、全体的に見たら決めたいところで決められた。前回よりもいい球が投げられました」。その表情には、充実感が漂っていた。

投手に転向して初めての夏。「プロの球場で投げられたのはすごく楽しかったし、自分にとってもいい経験になりました」。1戦1戦、経験を積み大きく成長している。

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