盛岡三が一関高専に7ー0の8回コールド。公式戦初登板の平林悠希(はるき)投手(1年)が3回を完全投球するなど、春の東北大会4強の貫禄を見せた。

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「自信はついたが、同時にプレッシャーも感じる」。盛岡三は6月の春季東北大会で八戸工大一(青森)、日大山形を破りベスト4。“低く強い打球″を意識した打撃で勝利を呼び込んだ。だが、この日は飛球が多く、課題が残る試合となった。田村悠人主将(3年)は「次戦までに打撃と気持ちの修正が必要。“ベスト4″の肩書があると、相手校は全力で倒しにくる。自分たちの野球でプレッシャーをはねのけたい」と反省点を挙げた。

期待の新星が輝いた。1年生で唯一ベンチ入りを果たした背番号「20」の平林投手が6回から登板。田村主将は「(平林は)緊張しているそぶりが全くなかった。『自信を持って投げろ』と声をかけた」。公式戦初登板とは思えない貫禄で、3回連続3者凡退のパーフェクト投球。平林は投手、捕手、内野手、中堅手もこなすオールラウンダー。伊藤崇監督は「ベンチにいてくれると助かる存在。1年生だが、しっかりとした根拠を持って背番号20を与えた」と信頼を寄せる。

29年ぶりとなる公立校甲子園出場を目指す。岩手は94年に盛岡四が出場して以来、出場が遠のいている。田村主将は「ベンチに入れなかったチームメートの思いを背負って全力で戦う。甲子園出場を果たし、歴史に名を刻む」と意気込んだ。

盛岡四 初戦、遠野に2-1と辛勝。初回1死二、三塁で相手失策で先制。さらに室野瑛心外野手(3年)の右犠飛で2ー0。だが、その後は再三のチャンスを生かせず。鳥谷部佑聖主将(3年)は「打撃力のあるチームだが、今日はチャンスで打てなかった。初戦の難しさを感じた。打撃を中心に修正して次戦に臨む」と振り返った。